特集 CT・MRIアトラス Update―正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
胃・十二指腸
水口 昌伸
1
,
鈴木 宗村
1
,
工藤 祥
1
1佐賀大学医学部放射線科
pp.287-293
発行日 2009年11月30日
Published Date 2009/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104193
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従来,胃・十二指腸に対するCT,MRI検査の主な目的は,消化管原発の悪性腫瘍(図1a)の他臓器浸潤や転移の術前評価と経過観察であった.近年,multidetector row CT(多列検出器CT:以下,MDCT)が普及し,高速で詳細なデータ収集が可能となり,種々の画像作成ソフトが開発されたことにより,ワークステーション上でのデータ再構築が可能となった.これにより,腸管の任意の断面の作成(図1b)や血管との重ね合わせ像(図1c)での観察など手術のシミュレーションに耐えうる画像が短時間で作成できるようになっている.また,立体視(いわゆるバーチャルエンドスコープ)が可能になり,検診への応用も検討されている.MRIにおいては撮像の高速化により空間および組織分解能が向上している.また,拡散強調像が腹部でも撮像可能となり,消化管の悪性腫瘍の検出や転移,播種病変の検出に有用である.
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