今月の主題 消化器疾患の治療法—1994年の再評価
胃・十二指腸疾患
胃・十二指腸潰瘍
白井 孝之
1
1東海大学医学部第6内科
pp.30-34
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902541
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ポイント
●胃・十二指腸潰瘍の治療は大きく,①初期治療,②維持療法,③合併症の治療に分けられる.
●①における現在の治療の主軸はH2-RAとPPIであり,これらを使いほとんどの例で一定期間内の治癒が見込める.
●再発の問題はなお解決されておらず,維持療法期間をも含めて治療の質が問い直されている.
●詳細な機序は不明ながら,Helicobacter pylori(H. pylori)の除菌による再発率の低減が注目され,すでに一定の成果を上げている現行の維持療法の成績を凌駕する数字を示している.
●潰瘍の合併症のうち,出血に対する内視鏡的止血法はほぼ全国的に普及し,出血例の緊急手術件数を減少させたが,その手技もエタノール局注法以外にいくつかのバリエーションが生まれ,選択の幅が出てきている.
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