増刊号 CT・MRIアトラス—正常解剖と読影のポイント
腹部
各論
胃・十二指腸
水口 昌伸
1
,
工藤 祥
1
1佐賀医科大学放射線科
pp.260-265
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402908398
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正常解剖
胃・十二指腸病変を対象としたCT・MRI検査は,一般に背臥位にて水や発泡剤,さらには陽性造影剤を用いて胃・十二指腸を拡張させた状態で行うため,胃はいわゆる牛角胃(大彎側が腹壁側を,小彎側が背側を向く)の状態になっていることが多い.したがって,胃はX線透視の立位正面像で見るほど下垂したイメージではなく,脾の腹側から腹壁正中側に向かい右背側の十二指腸に続く管腔臓器という認識をしたほうが良いと思われる.十二指腸は,胆嚢と膵頭部の間を通って背側に向かい,さらに大動脈と上腸管膜動脈の間を通過して腸間膜小腸に移行する.周辺臓器との関係を図に示す(図1).
また胃,十二指腸とも伸縮性に富む臓器であり,胃壁の厚さは胃の拡張の程度によって異なる.そのため,病的な壁肥厚かどうかの判断を通常のCT・MRI検査のみで行うことは難しい.
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