海外事情
タイ国におけるプライマリー・ヘルス・ケア(2)—プライマリー・ヘルス・ケアは開発途上国の「医療革新」となるか(PHCの実践活動)
ソムアッツ・ウォンコムトオン
1
,
小林 基弘
2,3
Som-ARCH Wongkhomthong
1
,
Motohiro KOBAYASHI
2,3
1タイ国立マヒドン大学公衆衛生学部衛生行政学科
2神奈川県平塚保健所
3前マヒドン大学PHC訓練研究センター
1ASEAN Training Center For Primary Health Care Development Mahidol University
pp.66-71
発行日 1986年1月15日
Published Date 1986/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207199
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
タイ国におけるPHCの実際活動を紹介するに当たり,まず歴史的な過程を概括しておこう.先進国から移入された現在の医療制度では,多くの国民のニードに答えられないと関係者が気づき始めたのは,約30年前のことである.
その頃から「新しい医療を求める運動」や様々な実験プロジェクト1)が見られ,住民参加とIntersectoral Collaborationの効用を試した保健省のCommunity Health Development project(1956〜1959年)やStrengthening of Rural Health Service Project2)(1962〜1967年)などがある.そして,現在のPHC活動の原形となったのは,チェンマイ県サラピイ郡におけるHealth Development Project3)(1964〜1969年)とランパン県におけるHealth Development Project4)(1974〜1981年)およびメーホンソン県におけるDrug Cooperation Project(1978〜1980年)である.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.