建築と設備 第2回
開発途上国の病院
長澤 泰
1
Yasushi NAGASAWA
1
1厚生省病院管理研究所
pp.513
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541208855
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わが国の開発途上国に対するさまざまな援助の中で,保健医療に関するものは少なくない.具体的には,計画のコンサルテーション,施設の建設,医療機器や人的資源の供給など多岐にわたるが,それらが最終的に有効に活用・運営されているかどうか疑問がないわけではない.
これには受け入れ国側に起因する問題が存在する.例えば,国全体の医療レベルを向上させるためには小規模な病院を各地に計画することが有効な場合でも,建設・運営にその国の医療予算の大半を費やすような大病院を中央に建設することを希望する傾向がある.一方,援助する側にも問題がある.例えば,目に見えない指導よりは,形として現れる建物の建設の方に重きを置くといった具合である.
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