連載 図説 公衆衛生・1
ライフサイクルと健康管理対策の現状
安西 定
1
,
高原 亮治
1
,
川口 毅
2
1厚生省統計情報部衛生統計課
2国立公衆衛生院疫学部
pp.1-6
発行日 1977年1月15日
Published Date 1977/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205315
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国民の一人ひとりが,その生涯を通じ,いつでもどこでも,その性,年齢,社会的条件に適合した適切なヘルスサービス,すなわち健康増進,疾病予防,保健生活指導,保健教育,健康診断,適正な医療,リハビリテーション等を常に享受しうることは,福祉社会の成立にとって欠くべからざる条件である.わが国における公衆衛生の発展史のなかでも既にこのような考え方は導入され,それなりに国民的,行政的努力を積み重ねてきたところである.今後,福祉国家建設と健康な国民生活の実現を目指すなかで,高率な有病率および受療率,医療費の増大,体力の低下と適正な医療確保問題,保健医療機能などの地域格差,生活環境問題,疾病構造と年齢構成の変化など国民の健康と福祉をめぐる問題は山積している.このようななかで,公衆衛生施策の推進は強く叫ばれているところである.
この機会に国民の一人ひとりの生涯を通じた生活史,すなわちライフサイクルとこれに対応したヘルスサービスの現状を概括的に展望し,今後における公衆衛生施策の展開と生涯設計について,お互いに研究・検討する資料を提供するつもりでまとめたものである.
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