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榮養學の領域に於けるビタミンBに關する研究
西尾 雅七
1
1京大
pp.208-210
発行日 1951年11月15日
Published Date 1951/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200948
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今日ビタミンB群と呼ばれているビタミンはビタミンB1(Thiamin)ビタミンB2(Riboflavin)ビクミンB6(Pyridoxin)ニコチン酸或はニコチンアミド(Niacin or Niacinatmide)パントテン酸(Pantothenic acid)ビオチン(Biotin)コリン(Choline)イノシット(lnositol)パラアミノ安息香酸(P-Aminobenzoic acid)ビタミンL(Lactation factor)葉酸(Folio Acid)ビタミンB12等にある。之等のビタミンがB群として集約されている理由は何れもが水溶性であること肝臓,酵母,穀類に存在すること,生體内に於て酸素系の補酵素或は活性剤として作用すること,更には微生物の成長を促進すること等の共通した性質を有するか6である。恐らくB群の殆んどが人間の榮養に缺くことの出來ないものであろうが我々が食物によつて補給を計らなければならないことが判然としているのはB1B2及び葉酸位であろう。換言すると之等のものが食物中から缺けると夫々特有な缺乏状を現わすのである。尤もニコチン酸はペラグラの豫防因子として認められており,事實ペラグラの治療に效果を擧げるのであるが,最近玉蜀黍を常食する地域にペラグラの多いことはニコチン酸の缺乏だけでは説明出來ないとの報告がある。
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