特集 「食育」の時代へ
食育時代の健康食品
①新しい保健機能食品制度
山田 和彦
1
1(独)国立健康・栄養研究所食品表示分析・規格研究部
pp.358-362
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100296
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提言
「医薬品―従来制度に基づく保健機能食品―いわゆる健康食品―一般食品」の体系のあり方について,「健康食品」の利用・製造・流通の実態は,国民の健康づくりに有効に機能しているか.「健康食品」の安全性・有用性の確保,消費者に対する適切な情報提供,利用者の期待に応えうる「健康食品」はどうあるべきか.これらをもとに,行政,関係業界,消費者の果たすべき役割,制度はどうあるべきか.以上のような点について広く意見募集を行い,平成17年6月9日には検討会による提言が厚生労働省から発表された(図1).
「提言」においては,国民が健やかで心豊かな生活を送るためには,一人ひとりがバランスの取れた食生活を送ることが重要であるとともに,国民が日常の食生活で不足する栄養素を補給する食品や,特定の保健の効果を有する食品を,適切に利用することのできる環境整備を行うことが重要であるとされた.そのためには,国民が様々な食品の機能を十分に理解できるよう,正確で十分な情報提供が行われることが必要であり,「健康食品」において表示できる内容を充実させることがその主要な柱の1つとされている.そのなかで「健康食品」とは,広く,健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指し,保健機能食品も含むものであり,「いわゆる健康食品」とは,「健康食品」から保健機能食品を除いたものであるとの立場から,制度の改善点を提言している.
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