Japanese
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特集 健康食品・サプリメントによる健康被害を防ぐ
わが国の保健機能食品制度の課題と展望
-――消費者の健康をかなえるためのヘルスクレームの最適化
Challenges of foods with health claims system in Japan
――Optimizing health claims to fulfill health needs of consumers
種村 菜奈枝
1,2
Nanae TANEMURA
1,2
1福島大学農学群食農学類食品科学コース
2岩手大学大学院連合農学研究科
キーワード:
ヘルスクレーム(健康強調表示)
,
消費者の声
,
消費者
,
保健機能食品
,
ベネフィット
,
コミュニケーション
Keyword:
ヘルスクレーム(健康強調表示)
,
消費者の声
,
消費者
,
保健機能食品
,
ベネフィット
,
コミュニケーション
pp.1129-1132
発行日 2025年9月20日
Published Date 2025/9/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294121129
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保健機能食品は,①特定保健用食品,②機能性表示食品,③栄養機能食品,の3つに分類され,それぞれ消費者の健康維持・増進を支援する役割を担っている.一方,特定保健用食品のうち疾病リスク低減表示制度の葉酸と神経管閉鎖障害のように,食品または関与成分の機能性に関する十分な科学的根拠がありながらも制度の活用が進まない事例が存在する.このように,ヘルスクレーム(健康強調表示)の決定プロセスが専門家などに依存し,消費者視点が十分に反映されていないことも利活用の促進を妨げる原因と考える.一方,過度な健康メリットへの期待を抑止し,健康被害の未然防止にも寄与する必要がある.海外の「Health Claims Unpacked」プロジェクトでは,消費者が科学的根拠に基づいた正しい食品選択ができるよう,透明性を向上させる取り組みが進められている.本稿では海外の例を参考に,日本の制度の論点を整理し,人々の健全な食習慣形成のために提言する.

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