特集 市販薬オーバードーズ 自力での苦痛緩和と見えにくいSOSに私たちはどう応えるか
薬物問題ではなく家族全体の困難を読み解き支える
近藤 あゆみ
1,2
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部
2NPO法人八王子ダルク
pp.113-116
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280020113
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変わりつつある薬物依存症の家族支援
薬物依存症の家族支援に携わるようになって二十数年、現在は、依存症回復施設NPO法人八王子ダルクにある「薬物問題に悩む家族のための相談所SMILE(スマイル)」1)で個別相談と各種グループを組み合わせた家族支援を行っている。
これまでわたしがしてきたことを大まかにまとめると、インテーク面接で家族(多くは薬物依存症本人からみて母親)から集めた情報をもとに、本人の状態や家族関係を見立て、それをもとに家族の安全な生活をつくり、本人を依存症治療に乗せることである2)。経験とともに、心理教育3)や生活を支える行政サービス、家族のための自助グループなどの社会資源も組み合わせ、だいぶ肩ひじ張らずに解決につながる支援ができるようになってきたと感じていた。

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