診療
小児慢性疾患患者のうつ―家族全体を支えることの重要性
牧野 仁
1
,
立花 良之
1
1国立成育医療研究センターこころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科
キーワード:
小児慢性疾患
,
うつ
,
スクリーニング
,
共同ケア
,
家族支援
Keyword:
小児慢性疾患
,
うつ
,
スクリーニング
,
共同ケア
,
家族支援
pp.1365-1372
発行日 2017年10月1日
Published Date 2017/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000204
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慢性疾患のこどもは,心身両面のストレスに対処しないと,二次的なうつ病にまで至ることがある.家族も悩みを抱える.慢性疾患のこどもの,₄〜₅ 人に₁ 人はうつ病を合併する可能性がある.うつの予防やスクリーニングが重要である.治療は環境調整を基本とし,現時点でもっともエビデンスがある薬物療法,精神療法を適宜行う.身体疾患の治療にメンタルケアも取り入れることで,精神症状と身体疾患の双方の症状改善・予後改善が得られる共同ケア(collaborative care)の概念も参考になる.こどもの健やかな成長には,家庭内の安心・安全の担保が必要であり,慢性疾患のこどものうつ診療においても,家族の生活全体を多職種が協力して支えることが肝要である.
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