特集 市販薬オーバードーズ 自力での苦痛緩和と見えにくいSOSに私たちはどう応えるか
ハームリダクション東京の実践—この社会では、危なくてSOSなんて出せないよ。
ことう ごろう
1
1ハームリダクション東京
pp.108-112
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134327610280020108
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
東京・新宿
2024年11月末、嬉しいサプライズで悲しくなった。新宿の京王プラザホテルで開かれていた第38回日本エイズ学会でのことだ。そこで私たちハームリダクション東京の活動について発表した演題が、優秀演題賞を受賞したのだ。やったー!
本当はいっしょに活動している当事者と発表の場に登壇したかった。けれどそれははなからできないことだった。なぜなら私たちにとっての当事者は、「薬物を使用することがある人」だからだ。その当事者が公的な場に出ることは、今の日本では危なすぎる。もともと1人で登壇する予定だったけれど、受賞したことで悲しさが一層際立った。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.