構造と診断 ゼロからの診断学・4
全体から考える
岩田 健太郎
1
1神戸大学医学部感染症内科
pp.536-541
発行日 2010年7月15日
Published Date 2010/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101962
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全体を取り扱う方法を考えなさい(五十嵐正紘先生の言葉)
名郷直樹 『臨床研究のABC』メディカルサイエンス社「あとがき」より
大切なのは,SOAPのA
■診断とは見立てである.患者に起こっている現象を把握し,それに名前をつけるのが医師の仕事だ.
■患者に起きている現象は言語化されなければならない.
■現象がどのような世界観で切り取られ,どのように命名されるかは本質的にはそれほど重要な問題ではない.問題は,起きている現象をいかに正しく理解するかである.使われる言葉がどのような言葉かは,話者の恣意性が規定する.そのことに自覚的であるべきである.ある世界観に支配された言葉を用いるのはかまわない.問題なのは,その世界観が「世界のすべて」と勘違いしてしまうことだ.これが,信念対立を生み,異なる世界観を拒絶するようになる.
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