- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
The New England Journal of Medicine
Perspective:
Powell DE, Buja LM, Conran R, et al. Pathobiology-Can we do without it? N Engl J Med 2025;392:2291-3.
■米国と日本の医学部教育の違い
日本では高校卒業後に大学医学部や医系大学に進学する。大まかに初期の2年間は一般教養教育が行われ,後半の4年間で基礎医学および臨床医学教育が行われる。一方,米国では医学部(medical school)進学を目指す場合,まずは文系・理系を問わず4年制の大学(pre-med college)を卒業する必要がある。4年制大学での専攻科目には特に決まったものはないが(文系でも可能),実際には生物化学や物理学,化学などを選択する者が多い。卒後medical schoolに進むには専攻科目に加えて,物理学,一般化学,有機化学,生物学の基礎科学を履修するか,医学進学課程(pre-med course)に進んで物理学,化学,生物学,生化学などを履修することが必要とされる。そのほか,統計学や遺伝学,倫理学,公衆衛生学などを履修しておくと,medical school進学に有利とされている。研究や臨床経験,ボランティア活動,コミュニティサービスなど,関連する課外活動も行う必要がある。medical schoolの合格率は5〜10%程度とされ,入学後に4年間の医学教育を受ける。米国ではmedical schoolは大学院の位置づけとなる。
医学の進歩につれて,習得すべき知識や技術は膨大になっている。そのため日本では教養課程が短縮されつつある。基礎医学教育も日米ともに縮小される傾向がある。

Copyright © 2025, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.

