連載
THE Editorials
pp.458-462
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101201653
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Anesthesiology
Editorial:
Gelman S. Acute kidney injury after surgery:Where does the journey lead? Anesthesiology 2020;132:5-7.
Article:
Gumbert SD, Kork F, Jackson ML, et al. Perioperative acute kidney injury. Anesthesiology 2020;132:180-204.
■術後急性腎障害の原因は多彩である
術後急性腎障害acute kidney injury(AKI)は周術期の合併症発生率や死亡率を上昇させる重要な要因の一つである。AKIの第1の問題点は,その早期診断が難しいことである。そのために,早期の介入が難しくなるのが第2の問題点である。第3の問題点は,AKIが起きた場合の有効な治療手段がないことである。
周術期のAKIには複数の要因が関与している。腎前性の要因といわれる循環血液量減少や,低心拍出量に加え,全身血管の調節系の障害や,腎臓における微小循環障害,炎症反応などが関与している。lipoxin,resolvin,protectinといった修復機能を促進するメディエータ,microRNA,hypoxia-inducible transcription factor(HIF)の安定化により,炎症反応を抑制し,腎機能の回復を促進することなどが有用である可能性がある。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.