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The New England Journal of Medicine
Editorial:
von Mutius E, Martinez FD. Vitamin D supplementation during pregnancy and the prevention of childhood asthma. N Engl J Med 2020;382:574-75.
Article:
Litonjua AA, Carey VJ, Laranjo N, et al. Six-year follow-up of a trial of antenatal vitamin D for asthma reduction. N Engl J Med 2020;382:525-33.
■気管支喘息とビタミンD
日本における気管支喘息患者は130万人を超え,さらに増加傾向にある。学童期の有病率も上昇傾向にある。気管支喘息は2〜3歳までに発症し,そのうちの20〜30%は成人喘息に移行するといわれている。喘息の原因には,ダニやハウスダストなどのアレルゲンの増加,そのほか環境の悪化,過労やストレスなども関係している。
ビタミンDが気管支喘息のコントロールを改善することや,ビタミンD不足が気道過敏性を亢進させたり,呼吸機能を低下させたり,気管支喘息のコントロールを不良にすることが報告されている。ビタミンDが気管支喘息のコントロールを良好にする機序としては,肺における炎症反応カスケードを抑制することや,抗炎症効果をもつインターロイキン-10の産生を増加させることなどが挙げられている。さらに,妊婦にビタミンDを投与すると,乳児期の喘息や一過性喘鳴の頻度が低下することも報告されている。ビタミンDが胎児の肺の発達を促進することや,免疫反応を修飾することがその機序として考えられている。
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