徹底分析シリーズ 吸入麻酔と静脈麻酔 どっちを選ぶ?
巻頭言
坪川 恒久
1
1東京慈恵会医科大学 麻酔科学講座
pp.369
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320040369
- 販売していません
- 文献概要
ようこそ麻酔科へ。これからは研修医時代よりひとつ上の段階に進み,朝一番のミーティングで“自分で考えた麻酔計画”を発表することが求められる。患者の状態,外科医のリクエスト,手術室の環境などを把握したうえで,最適な麻酔計画を立てる必要がある。なかでも全身麻酔において,「吸入麻酔か静脈麻酔か」という選択は極めて重要なポイントとなる。吸入麻酔薬は効果に個体差が少なく,呼気ガス濃度の実測値が表示されるためコントロールが容易で,オールマイティな麻酔薬である。一方の静脈麻酔は,濃度は表示されるものの,それはシミュレーション上の予測値であり実測値ではない。個体差も大きいため,麻酔深度を意識した管理が求められる。しかし静脈麻酔には吸入麻酔にはないいくつもの利点が存在する。そこで本徹底分析シリーズでは,11のシチュエーションを設定し,それぞれにおいて吸入麻酔か静脈麻酔かを選択する際に検討すべき情報を整理した。
本特集を通じて知識を深め,「一目置かれる新人」へと成長してほしい。さらに学びを深めたい方は,3月号の特集「吸入麻酔法を支える理論」をあわせて読んでいただきたい。
Copyright © 2025, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.