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編集後記
江藤 文夫
pp.1276
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590111276
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全日本的にアルコール依存症が広がりをみせたのは17世紀以降のことで,酒自体の品質の向上と商品としての普及による.幕府は酒商売の縮小を命じ,酒税の徴収をしたりしたが,庶民の活力の向上を反映した現象でもあった.
従来の「アルコール依存症」はWHOによる最新の国際疾病分類では「アルコール使用症」のうち「物質依存」に該当する.物質依存の診断では,物質使用に対するコントロールの低下,物質使用の生活上の優先度上昇,中止後に離脱症状等依存の生理学的な特徴の存在,の3項が重視される.治療に関しては,地域や職域あるいは総合病院等の分野で問題飲酒のある人々に向け早期介入に視野を広げたアプローチに注目されている.

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