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COVID-19記録集の刊行
COVID-19対策を支えたのは、さまざまな「現場」であった。前回紹介した小学校の「ほけんだより」も「現場」における工夫を示す資料の一つである。そうした対策は、教育委員会による予算措置や通達等の中で進められ、学校「現場」を取り巻く状況を概観できる資料として、都道府県や市区町村等の地方公共団体が取りまとめた記録集を挙げることができる。2024年8月段階で、約60件を確認できた(表1)。今後も刊行が続くと考えられる。また、漏れにお気付きの方にはぜひご教示をお願いしたい。
東京都の杉並区が刊行した『杉並区新型コロナウイルス感染症対応記録』(2024〔令和6〕年5月)もその一つで、200頁を超える報告書が区の公式ウェブサイトからダウンロードできる(URL: https://www.city.suginami.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/094/540/kannseiban.pdf)。2020年1月から2023年5月までを8期に分け、COVID-19をめぐる主な出来事を整理し(第1章)、国や東京都の感染状況および杉並区の感染状況と対策(第2章)、感染予防対策、地域医療体制の維持・強化、ワクチン接種体制の整備、区民生活等の支援、事業者や文化・芸術活動への支援、教育分野での施策、杉並保健所への全庁応援体制、職員への対応、学校での施策等の具体的な対策(第3章)、危機管理体制(第4章)、業務継続計画の発動(第5章)、資料編として「広報すぎなみ」の関係記事を収録している。杉並区が進めたCOVID-19対策の概要や予算、対策に参加した人員数等の基本的な情報を把握できる。
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