看護の潮 看護記録を検討する
私たちの使っている看護記録
看護監査と看護記録—なぜ看護記録は重要医療法的公文書か
金子 敏輔
1
1神戸大学医学部
pp.43-46
発行日 1967年9月1日
Published Date 1967/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913277
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看護記録の重要性と考え方
病院の患者の入院記録のなかで臨床記録として最も重要な役割を果たしているのは看護記録である。その記録は各患者の病歴のなかの重要な臨床記録でもある。つまりカルテの大半は看護日誌であり,ナースが残す看護レコードが有力な資料として永遠に病院に残る使命をもっている。見方によればナースの書く看護記録が病歴のなかで診療記録とともに実際にものをいうということである。それは管理・分類され保存される病院公文書であると同時に,法的公文書の性格をもつ記録でもあり,患者のプライバシーに関する秘密の書類といえる。したがって正確に観察された患者看護ノートは,単なる記録でなく,いろいろな意義があり,記録者,つまり看護婦は慎重な態度でのぞまなければならない。
よい記録はよい看護がされたことを意味し,それはよい医療がなされたことで,病院の診療水準を裏づけると同時に,ハイクラスの臨床ナースのグループがよい病院サービスに当たっていることを物語っている。医師,病院管理者,看護婦,医療技師チームは病歴を信頼しそれに依存する。
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