特集 看護記録の質向上のために何ができるか
インタビュー●看護記録には看護部の理念が反映される―看護記録をめぐる問題点と今後の課題
渡邊 千登世
1
1さいたま市立病院
pp.264-267
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101169
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看護の内容が正確に伝わる看護記録を
●実践したケアに意味づけをして記録する
私自身を振り返ってみると,看護師として聖路加国際病院に入職したときから看護記録とは密接に関わってきた気がします。臨床現場では,記録を書くことを通して教育をするという意識が非常に高く,書いた記録は必ず先輩の誰かにチェックされ,「このアセスメントはおかしいわよね」というようなコメントが入りました。自分が先輩の立場になると,後輩の理解度を知るために看護記録を読み,記録を通して指導するようにもなりました。
そういった繰り返しのなかで,記録の書き方を「意識させられた」という面が大きいと思います。つまり,どのような記録を書けば看護の内容が正確に伝わるのだろうと常に考えるようになりました。また,その当時の看護部の方針として,プライマリー・ナーシングを導入し,看護計画には看護診断を使っていくことが掲げられていました。ですからより一層,看護計画を立案することや看護記録を書く責任の重さを感じていましたし,このような環境のなかで,自分の実践したケアに意味づけをして記録しなければいけないという意識をもちました。
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