Japanese
English
症例報告
放射線療法が有効であった口唇のCD20陽性T細胞リンパ腫の1例
A case of CD20-positive T-cell lymphoma of the lip successfully treated by radiation therapy
佐藤 幸乃
1
,
林 耕太郎
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
松尾 琢二
2
,
望月 眞
3
,
笹島 ゆう子
3
,
多田 弥生
1
Yukino SATO
1
,
Kotaro HAYASHI
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Takuji MATSUO
2
,
Makoto MOCHIZUKI
3
,
Yuko SASAJIMA
3
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部血液内科
3帝京大学医学部病理診断科
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Hematology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Department of Dignostic Pathology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
口唇
,
CD20陽性
,
末梢性T細胞リンパ腫
Keyword:
口唇
,
CD20陽性
,
末梢性T細胞リンパ腫
pp.49-54
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790010049
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 86歳,女性.3か月前より口唇の腫脹が出現し徐々に拡大した.初診時,左上口唇から人中にかけてびまん性の腫脹を認め,腫脹により人中は不明瞭となっていた.皮膚生検を施行し,組織学的に表皮から皮下脂肪織までリンパ球が増殖し,腫瘍細胞は小型から中型で核の多形や大小不同を認めCD3,CD4,CD20陽性,CD8,CD10,CD30,CD56,CD79a,陰性でありCD20陽性末梢性T細胞リンパ腫と診断した.高齢者であり病変が口唇に限局していたことから放射線治療のみを行い,病変は縮小した.照射1年後にはほぼ消退し再燃もみられない.CD20陽性末梢性T細胞リンパ腫は稀である.既報告例のうち,体表に生じた病変に対して放射線治療を施行した症例では,他の治療法より改善する傾向がみられた.自験例のように,病変が体表に限局している場合は,放射線療法が有用な選択肢のひとつであると考えられた.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.