Japanese
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症例報告
両側頰部の打撲様局面を呈した芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の1例
A case of blastic plasmacytoid dendritic cell neoplasm presented with bruise-like areas on bilateral cheeks
井土(小西) なつの
1
,
小野木 裕梨
1
,
宿院 梨衣
1
,
渡邉 直樹
1
Natsuno KONISHI-IZUCHI
1
,
Yuri ONOGI
1
,
Rie SYUKUIN
1
,
Naoki WATANABE
1
1公立陶生病院皮膚科
1Division of Dermatology, Tosei General Hospital, Seto, Japan
キーワード:
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
,
打撲様局面
Keyword:
芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
,
打撲様局面
pp.55-60
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790010055
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要約 74歳女性.当科初診6か月前に両頰部の紅斑を自覚し,その後暗紫色局面に変化した.当科初診時には,両頰部に直径10 cm程度の打撲様局面と硬結を呈していた.病理組織学的検査では真皮浅層から脂肪織に中型異型リンパ球様細胞がびまん性に浸潤し,免疫染色でCD4,CD56,bcl2,bcl6がいずれも陽性であり,芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍と診断した.血液・腫瘍内科でCHOP療法を施行後,頰部の皮疹は改善した.芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍は稀で予後不良な疾患である.初期には皮膚症状のみを呈することが多く,皮膚科医による検査や早期診断が重要となる.自験例では打撲痕様の外観をしており第一に外傷性変化を想起したが,触診所見や病歴が矛盾すると考えて皮膚生検を行い診断に至ることができた.芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の皮膚所見は結節や腫瘤,打撲様局面など多様であるため,少しでも疑う場合には皮膚生検することが望ましい.
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