Japanese
English
症例報告
臀部の巨大びまん性神経線維腫に対して術前に選択的動脈塞栓術を行った1例
A case of gigantic diffuse plexiform neurofibroma on the lower back treated by pre-operative transcatheter arterial embolization
江川 昌太
1
,
田中 隆光
1
,
加藤 和夏
1
,
鎌田 昌洋
1
,
大西 誉光
1
,
望月 眞
2
,
近藤 浩史
3
,
多田 弥生
1
Shota EGAWA
1
,
Takamitsu TANAKA
1
,
Aika KATO
1
,
Masahiro KAMATA
1
,
Takamitsu OHNISHI
1
,
Makoto MOCHIZUKI
2
,
Hiroshi KONDO
3
,
Yayoi TADA
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
2帝京大学医学部病理診断科
3帝京大学医学部放射線科
1Department of Dermatology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Pathology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
3Department of Radiology, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
神経線維腫症1型
,
びまん性神経線維腫
,
選択的動脈塞栓術
Keyword:
神経線維腫症1型
,
びまん性神経線維腫
,
選択的動脈塞栓術
pp.525-529
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207037
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要約 67歳,男性.出生時より6個以上のcafé au-lait斑があり,神経線維腫症1型と診断された.30歳以前から体幹四肢に神経線維腫が出現増加した.臀部の腫瘤も同時期より出現し徐々に増大,自覚症状はなかったが座位が困難になった.初診時,臀裂部に懸垂する有茎性で45×30 cm,弾性軟の巨大腫瘤があった.表面は褐色調で脱色素斑が混在しており,下床との可動性は良好であった.400 mlの自己血を準備し,手術3日前に腫瘍の栄養動脈の塞栓術を行った.塞栓翌日に全身の発熱,腫瘤の疼痛と腫瘤表面に紫斑を認めた.手術は茎部境界部に切開し,下床は腫瘍内に切り込まないように脂肪組織で切除した.出血量は50 ml以下であった.病理組織学的所見では典型的な神経線維腫の所見で,腫瘍の血管内に血栓や無機質な構造物を認めた.びまん性神経線維腫の手術では大出血の危険があり,術前の動脈塞栓術は対応法の1つとして積極的に推奨するべき方法と考えた.
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