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医学用語の考え方,使い方

医学用語の考え方,使い方
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筆頭著者 西嶋 佑太郎 (著)

中外医学社

電子版ISBN

電子版発売日 2022年5月17日

ページ数 182

判型 A5判

印刷版ISBN 978-4-498-14822-2

印刷版発行年月 2022年5月

DOI https://doi.org/10.18886/9784498148222

書籍・雑誌概要

「喘鳴や頭蓋の読み方は?」「頸部と頚部はどちらが正しいのか?」など,医療現場はもちろん,日常においても使用される用語や漢字の使い方に関する疑問.それらの疑問を解消するための根拠が,「あの先生がこう言っていたから」「パソコンで変換できたから」になっていないだろうか.本書では医学用語を使うためのできるかぎりの根拠を示し,さらに自分自身で解決するための具体的な実践例も紹介する.すっきりとした極論ではうまくいかない現実を直視するために,医学用語の基本から学んでいこう.

目次

第1章 はじめに
 1)漢字のとめ・はね
 2)医学用語も似たようなもの
 3)どちらでもいいが,なんでもいいわけではない
 4)本書の構成

第2章 医学用語の前提となる日本語・漢字の知識
1.医学用語を語る前に
2.手書きと活字
3.常用漢字表と混ぜ書き
 1)常用漢字表の目的―表内外の境界線
 2)同音の漢字による書き換えと,混ぜ書き
4.活字と文字コード―表外漢字字体表
 1)JIS漢字
 2)表外漢字字体表
5.専門用語と漢字
 1)ことばの「位相」
 2)専門用語行政
 3)漢字がどう扱われてきたのか

第3章 医学用語総論 「なんでもいいわけではないこと」
1.医学用語とは
2.医学用語とふつうのことばは何が違うのか
 1)語彙の違い
 2)専門用語ではなぜ難しい言い方をするのか
 3)表記,読みからみた違い
3.医学用語集,医学用語辞典の概要
 1)医学用語集総論
 2)『日本医学会 医学用語辞典』
 3)『文部科学省 学術用語集 医学編』
 4)各分野の用語集概観
4.用語集の凡例
 1)用語集の凡例をみること
 2)漢字字種
 3)字体
 4)用語の読み
 5)凡例を振り返って
5.用語集を使ってみる:実践編
 1)用語集の使い方
 2)用語集の選び方
 3)用語集を使った調べもの

第4章 医学用語各論
1.「脊」は手書きでどう書くか
2.「頸部」と「頚部」はどちらが正しいのか
3.「鼠蹊」と「鼠径」と「鼡径」
4.「癌」と「がん」を使い分けるべきか
5.「膣」「腟」はどちらが正しいか
6.「掻痒」か「掻痒」か「掻痒」か
7.「腔」を「クウ」と読むのは間違いなのか
8.「頭蓋」は「ズガイ」か「トウガイ」か
9.「肉芽」を「ニクゲ」と読むのは誤りか
10.「楔入圧」はなんと読むか
11.喘鳴は「ゼンメイ」か「ゼイメイ」か
12.「熱発」は間違いか
13.「抗菌薬」か「抗生物質」か.「抗─生物質」か「抗生─物質」か
14.「理学所見」か「身体所見」か
15.「御侍史」と「御机下」のこと

第5章 これからの医学用語
1.医学用語をめぐる最近の研究・取り組み
 1)医学用語の歴史
 2)それぞれの言葉の歴史
 3)学術用語としての側面
2.用語に潜む差別の問題
 1)痴呆→認知症
 2)精神分裂病→統合失調症
 3)血管炎の病名変更と,新型コロナウイルス
 4)「奇形」をめぐる議論
 5)「優性/劣性」をめぐる遺伝用語の変更
 6)「障害」の表記をめぐる議論
 7)「障害」と「症」と「病」について
 8)偏見を理由とする用語変更をどうしていけばいいのか
3.医学用語のわかりやすさ
 1)患者・家族など非医療関係者にどう伝えるか
 2)看護・介護分野で進められる用語の簡易化
 3)医学系教育のなかでの用語問題
 4)「わかりやすさ」は良いことだけなのか
4.これからの医学用語に求められること
 1)用語集,用語辞典に関して
 2)非医療関係者へ向けての視点

コラム
 1 漢字廃止論と医師たち
 2 昭和初期の医学用語統一,改良運動
 3 医学用語に使われる漢字の数(昭和版)
 4 作成者が特定できる医学用語
 5 誤読から変更された用語
 6 印環細胞癌の「印環」とは
 7 ある医学用語がいつ頃からあるのかを調べてみる
 8 日本製の漢字 「腺」と「膵」
 9 用語の起こりを調べる難しさ―「麻酔」
 10 中国人も医学用語を読み間違える?

 おわりに
 索引