皮膚病診療 38巻12号 (2016年12月)

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<症例のポイント>75歳男性の右上腕に生じたsolid-cystic hidradenoma(以下、SCH)を経験した。術前のエコー検査で腫瘍内の大小の嚢腫形成がみられ、術前診断に有用であった。病理組織検査では、皮膚と連続性はなく、内部に多数の嚢腫を含む充実性腫瘍を認めた。構成細胞はclear cellとepidermoid cellと考えられた。

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<症例のポイント>右下腿に発生したsolid-cystic hidradenomaを経験した。自験例では超音波検査にて単房性嚢腫内に乳頭腫状の充実性の結節がみられ、いわゆるsolid-cysticという特徴的な形状を呈し、汗腺系腫瘍と推測することができた。

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<症例のポイント>鼠径部に生じた巨大なsolid-cystic hidradenomaを報告した。自験例は色調、大きさとも典型例とはいえなかった。大きさにおいては会議録を除く本邦報告例では最大であり、嚢腫内の液体が貯留したために大型かつ青色調となったと推測した。嚢腫構造を含む全体構築の把握、内容物の評価については画像検査が有用で、他疾患との鑑別の一助となると思われた。

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<症例のポイント>項部に生じたporoid hidradenomaを報告した。免疫組織化学染色でCEA(-)、EMA(±)、S-100(-)、34βE12(+)、34βB4(-)であり、真皮内エクリン汗管からの分化が示唆された。局所麻酔下に全切除し、術後4年間は再発なく経過している。

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<症例のポイント>eccrine spiradenomaは良性の汗腺腫瘍で、自発痛や圧痛を伴うことが特徴である。eccrine spiradenomaは嚢腫を形成することがあり、cystic eccrine spiradenomaとして報告されている。自験例の腫瘍内部は充実性の胞巣と多房性の嚢腫構造を呈していた。腫瘍細胞は大型で明調な細胞と小型で暗調な細胞の2種類から構成されていた。免疫組織化学染色所見では、大型の腫瘍細胞はCK7陽性、小型の腫瘍細胞はp63陽性であった。

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<症例のポイント>アポクリン汗嚢腫は1964年にMehreganにより独立疾患として報告された良性腫瘍である。単発例がほとんどであるが、自験例は両側外眼角に多発したまれな症例であった。眼周囲に生じた小結節では本症も鑑別疾患にあげる必要がある。

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<症例のポイント>folliculosebaceous cystic hamartoma(以下、FSCH)とは、1991年にKimuraらにより報告された。拡張した毛包漏斗部から脂腺が放射状に増生し、間質には結合織、血管、脂肪などが増生する過誤腫である。脂腺小葉を取り巻く結合織の外側と、病変全体と健常部との2ヶ所に裂隙(double cleft)を形成することが特徴である。自験例は女性の鼻部に生じ、臨床的にはFSCHとして典型的であったが、病理組織学的には一部に下部毛包分化を伴っている点が特異であった。

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<症例のポイント>今回われわれは、顔面に生じた比較的典型的なfolliculosebaceous cystic hamartoma(FSCH)の2例を経験したので報告した。FSCHはsebaceous trichofolliculomaとの鑑別を要する症例もあり、自験例の嚢腫様構築の構造、間質の所見から、FSCHと診断できた。

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<症例のポイント>新生女児の傍尿道嚢腫を報告した。治療として開窓術を行い、再発なく治癒した。腫瘤壁が扁平上皮であったことより、子宮腟管(uterovaginal canal)由来と診断した。女児傍尿道嚢腫の報告は、ほとんどが泌尿器科領域、小児外科領域などからである。男性(あるいは男児)にみられる傍外尿道口嚢胞(あるいは陰茎縫線嚢腫:median raphecyst of penis)とは、まったく異なる発生要因である。

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<症例のポイント>荷重部位である足底に出現した、intravascular papillary endothelial hyperplasia(以下、IPEH)の2例を経験した。比較的出現直後の症例の病理像と、出現してから数ヵ月経過した症例の病理像を比較することで、IPEHの成熟過程における変化を確認することができた。

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<症例のポイント>耳介に生じたAngiomyolipoma(以下、AML)を報告した。AMLは表面平滑な弾性軟の皮下腫瘤を呈し、病理組織学的には平滑筋、血管、成熟した脂肪細胞から構成される過誤腫と考えられている。自験例では超音波検査を行ったが、境界明瞭な楕円形の皮下結節を認め、後方エコーの増強が観察された。内部は均一で低エコーを示した。カラードプラエコーでは比較的豊富な血流シグナルがみられた。過去にも同様の超音波所見の報告が1例あり、AMLの特異的所見となる可能性が示唆された。

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<症例のポイント>ガングリオン、粉瘤、滑液包炎を疑い試験穿刺を施行したところ、乳白色の液体(urate milk)を吸引し、痛風の診断契機となった。慢性痛風患者の関節腔や滑液包に大量の尿酸結晶が貯留することがあり、乳白色液状であることからurate milkと呼ばれている。urate milkをみたら慢性的な高尿酸血症を想定し、痛風を疑って診察する必要がある。

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<症例のポイント>皮膚原発adenoid cystic carcinoma(以下、ACC)は病理組織像のみからの診断は困難で、他臓器からの直接浸潤や遠隔転移を否定して初めて診断される腫瘍である。局所浸潤性が強く、非常にまれで、英文での報告は70例に満たない。自験例は下顎部皮膚に生じた腫瘍であり、病理組織で他臓器由来の腺組織は認めず、耳鼻科・口腔外科診察で異常なく、画像上唾液腺とは連続せず、PET-CTでも原発部位以外での集積は認めず、腫瘍マーカーの上昇もなかったため、下顎部皮膚原発ACCと診断した。局所再発率が高く、治療は広範囲切除が一般的で、放射線療法や化学療法の治療効果については一定の見解がない。自験例は切除後9年間再発を認めていないが、長年経過してからの再発も報告されており、注意深い経過観察が必要であると考えられる。

英文抄録

editorial

総合診療科と皮膚科 山本 俊幸

治療

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粉瘤はごくありふれた良性疾患であるが,その成因や病態には未解明の部分も多い.粉瘤は放置しても自然消褪することがあるが,増大して整容的に問題となったり,炎症が生じて苦痛をもたらしたりすることも多く,まれには悪性腫瘍の発生もみられる.このため,粉瘤を正確に診断して適切な治療方針を決定することは,皮膚科医にとって軽んじることのできない重要な診療行為の1つである.そこで本稿では,粉瘤の代表疾患として,表皮囊腫の診断・治療を主体に解説するとともに,従来画一的に行われてきた炎症性粉瘤に対する抗菌薬投与による治療についての考察を加えてみる.このため,本稿では便宜的に粉瘤という用語を表皮囊腫と同義のものとして用いることとする.(「はじめに」より)

蝶の博物詩

生態18 西山 茂夫

私の歩んだ道

私の歩んだ道 上出 良一

学会ハイライト

New Drugs

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皮心伝心

診察室の四季

日向ぼこ 斉藤 隆三

皮膚科のトリビア

第138回 浅井 俊弥
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本欄は,浅井皮膚科クリニックのホームページに連載されている「皮膚科のトリビア」を紹介させていただくものです.学会・研究会などで見聞きしたことをその都度まとめ, 連載されています

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目次

編集後記・次号予告

皮膚病診療Vol.38 (2016)索引

基本情報

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皮膚病診療
38巻12号 (2016年12月)
電子版ISSN:2434-0340 印刷版ISSN:0387-7531 協和企画

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