特集 嚢腫
臨床例
下顎部に生じた皮膚原発adenoid cystic carcinoma
仲野 祐里
1
,
遠藤 雄一郎
,
藤澤 章弘
,
谷岡 未樹
,
是枝 哲
,
椛島 健治
,
宮地 良樹
1京都大学 大学院医学研究科皮膚科学教室
キーワード:
顔面腫瘍
,
鑑別診断
,
腺癌
,
腺様嚢胞癌
,
皮膚疾患-顔面
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
皮膚外科
,
上皮筋上皮癌
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Diagnosis, Differential
,
Carcinoma, Adenoid Cystic
,
Facial Dermatoses
,
Facial Neoplasms
,
Immunohistochemistry
,
Skin Neoplasms
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.1221-1224
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017083391
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<症例のポイント>皮膚原発adenoid cystic carcinoma(以下、ACC)は病理組織像のみからの診断は困難で、他臓器からの直接浸潤や遠隔転移を否定して初めて診断される腫瘍である。局所浸潤性が強く、非常にまれで、英文での報告は70例に満たない。自験例は下顎部皮膚に生じた腫瘍であり、病理組織で他臓器由来の腺組織は認めず、耳鼻科・口腔外科診察で異常なく、画像上唾液腺とは連続せず、PET-CTでも原発部位以外での集積は認めず、腫瘍マーカーの上昇もなかったため、下顎部皮膚原発ACCと診断した。局所再発率が高く、治療は広範囲切除が一般的で、放射線療法や化学療法の治療効果については一定の見解がない。自験例は切除後9年間再発を認めていないが、長年経過してからの再発も報告されており、注意深い経過観察が必要であると考えられる。
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