糖尿病診療マスター 13巻8号 (2015年8月発行)

選択した文献の文献概要を表示する書誌情報をダウンロードする

すべて選択

特集　糖尿病から脳を守る

糖尿病患者を脳卒中から守る名取　達德 , 寺山　靖夫 13巻8号 , 2015年8月 , pp.631-635

PDF(299KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・糖尿病患者における脳卒中との関連について概説する．

・糖尿病患者における脳梗塞の一次予防，二次予防について解説する．

無症候性頸部頸動脈狭窄症の病態と治療小笠原　邦昭 13巻8号 , 2015年8月 , pp.636-640

PDF(747KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・頸部頸動脈狭窄症に対する治療は抗血小板療法，内膜剝離術，ステント留置術の3つがあり，狭窄率により使い分ける．

・頸部頸動脈の狭窄率を頸動脈エコーを用いて診断する時には，狭窄部の収縮期最高血流速度（PSV）を用いる．

糖尿病と心房細動と脳梗塞小田倉　弘典 13巻8号 , 2015年8月 , pp.642-646

PDF(372KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・糖尿病は心房細動，心原性脳塞栓症のリスク因子．

・糖尿病合併心房細動では抗凝固療法を考慮．

・糖尿病の管理が心房細動の抑制に関与．

脳梗塞後糖尿病患者の高血圧治療石黒　喜美子 , 佐藤　敦久 13巻8号 , 2015年8月 , pp.648-652

PDF(348KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・脳梗塞の再発予防には，血糖コントロールだけでは不十分であり，厳格な血圧コントロールがより重要である．

・脳梗塞後の慢性期治療での降圧目標は140/90mmHg未満，可能であれば130/80mmHg未満であるが，頸動脈狭窄の有無などを考慮し個々の症例で検討する．降圧薬の選択は，ACE阻害薬，ARB，Ca拮抗薬，利尿薬が推奨されている．

低血糖性脳症—重症化の予防を目指して下畑　享良 , 池田　哲彦 , 西澤　正豊 13巻8号 , 2015年8月 , pp.653-657

PDF(426KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・血糖値，低血糖の持続時間，体温，血中乳酸値が予後に影響を及ぼす．

・低血糖性脳症に対する神経保護療法の開発が望まれる．

糖尿病と認知症の疫学秦　淳 , 清原　裕 13巻8号 , 2015年8月 , pp.658-663

PDF(367KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・糖尿病を含む糖代謝異常と認知症の有病率は時代とともに増加している．

・糖尿病，特に食後高血糖は，血管性認知症，アルツハイマー病に共通の危険因子である．

糖尿病患者を認知症から守る羽生　春夫 , 深澤　雷太 , 畑中　啓邦 13巻8号 , 2015年8月 , pp.664-668

PDF(366KB)

有料閲覧

文献概要を表示

POINT

・糖尿病は血管性認知症やアルツハイマー病の発症リスクを高めるが，さらに糖代謝異常がより密接に関連している病型（糖尿病性認知症）がある．

・糖尿病のコントロールは認知症の発症予防のみならず，進行抑制にも効果がある．

対談

脳トレで糖尿病患者の脳を守る川島　隆太 , 赤井　裕輝 13巻8号 , 2015年8月 , pp.620-629

PDF(1108KB)

有料閲覧

文献概要を表示

●自分の脳をコンピュータに入れたい

赤井　脳科学を専門にしておられる川島先生ですが，最初に，今の研究に興味をもたれたきっかけと，研究歴についてお話しいただきたいと思います．先生は東北大学医学部を卒業されて，すぐに大学院に入られたのですか．

川島　そうです．東北大学抗酸菌病研究所（現在の加齢医学研究所）の放射線科に入局しました．

Perspective◆展望

脳を守って人生をゆたかに赤井　裕輝 13巻8号 , 2015年8月 , pp.617-618

PDF(161KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　脳血管障害は糖尿病患者の死因第1位の悪性腫瘍，第2位心疾患に僅差で続く第3位で，糖尿病患者死因の約10%を占める．しかし直接死に至らなくとも，いったん脳卒中を起こした患者は半身麻痺等の運動障害，発語障害，嚥下障害などにより生活の質（QOL）が著しく低下する．脳卒中が死因にはならずに肺炎で死亡した症例も，実は脳梗塞後の誤嚥性肺炎であることは少なくない．自宅での生活が困難になり，長期療養型病床での生活を余儀なくされることもしばしば見受けられる．昨日まで健康人として生活していた糖尿病患者の人生を一変させてしまうのが脳血管障害である．虚血性心疾患に比し患者QOLに与える影響が非常に大きいように思われる．家族の介護の負担を非常に大きくするのも脳卒中の後遺症である．

　糖尿病性腎症が進展し，腎不全期に入ると急激に大血管障害が増加することも，UKPDS研究で明らかにされた．地下茎でつながるように，細小血管障害が大血管障害と深く関連している．糖尿病治療につきものの低血糖も重症の場合，脳に後遺症を残すことがある．

季節を感じる糖尿病食—旬の野菜と身近な卵で

—葉月—蛇腹(じゃばら)きゅうりの酢の物と卵としらす干しの丼城戸崎　愛 13巻8号 , 2015年8月 , pp.670-671

PDF(525KB)

有料閲覧

文献概要を表示

蛇腹(じゃばら)きゅうりの酢の物

■材料（2人分）

きゅうり 2本

大根（細めのもの） 1/4本

干し椎茸（戻しておく） 2枚

長ねぎ 1/2本

しょうが小ひとかけ

赤唐辛子（水に漬けておく） 1本

ごま油大さじ1

漬け汁（しょうゆ…大さじ2/3　砂糖…大さじ1 1/2　酢…大さじ2　塩…小さじ1/4）

塩少々

糖尿病運動療法“ヒヤリ・ハット”・5

—循環器疾患をもった患者の運動療法—運動終了後に心室性期外収縮が頻発した例小池　日登美 13巻8号 , 2015年8月 , pp.672-674

PDF(232KB)

有料閲覧

文献概要を表示

▶症例提示

2型糖尿病．71歳，男性．

　3年前，健康診断で随時血糖200mg/dL以上を示し，近医を受診．食事に気をつけ，運動も毎日行い体重が5kg減ったのに，血糖コントロール（HbA1c 8.2%→8.5%）がうまくいかないため，当院を受診．

専門医に訊くCommon Disease最新の知識

甲状腺機能亢進症吉村　弘 13巻8号 , 2015年8月 , pp.675-676

PDF(190KB)

有料閲覧

文献概要を表示

Question①

　メルカゾール^®とプロパジール^®の使い分け・減量のしかたについて教えてください．

Answer①

　第一選択薬としてはメルカゾール^®を使用する．催奇形性の点から妊娠15週目までの妊婦はメルカゾール^®を使用しない．プロパジール^®を積極的に使用する場合としては，①メルカゾール^®で副作用が出現した場合，②妊娠15週目までの妊婦，③授乳を希望する妊婦，がある．減量はFT₄とTSHを参考にする．

糖尿病診療トレーニング問題集

内科医レベル潮　正輝 , 森田　善方 13巻8号 , 2015年8月 , pp.677-679

PDF(237KB)

有料閲覧

文献概要を表示

症例　39歳，男性．

主訴　口渇，多飲，多尿．

海外文献紹介

慢性腎臓病をもつ2型糖尿病患者での厳格な血糖管理は心血管リスクを上昇させる—ACCORD試験CKD版より細井　雅之 , 上野　宏樹 , 川崎　勲 13巻8号 , 2015年8月 , pp.680-683

PDF(404KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　本誌の2015年2月号にACCORD試験（the main Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes trial）の続編ともいえるフォローアップの論文を取り上げました．今回は，慢性腎臓病（chronic kidney disease : CKD）の有無によって検討をしたACCORD試験サブ解析の結果です．

　CKDは糖尿病に多い細小血管障害で，約40%の患者がCKDに進行するといわれています．2型糖尿病は発展国家の腎疾患終末期になるトップの原因です．成人の約13.1%にCKDが起こるとされており，米国では2,600万人がCKDであるといわれています．大半は病期1〜3であり，4期は0.35%，5期は0.11%といわれています．

--------------------

お知らせ 13巻8号 , 2015年8月 , pp.635

PDF(274KB)

フリーアクセス

New Books　病を引き受けられない人々のケア—「聴く力」「続ける力」「待つ力」花房　俊昭 13巻8号 , 2015年8月 , pp.641

PDF(200KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

　本書は，糖尿病患者の心のケアにおいてわが国の第一人者である石井均先生が，雑誌『糖尿病診療マスター』で行われた対談の中から，9名の方々との対談を選んで集めたものである．そのうち8名は糖尿病を直接の専門とされる方ではない．対談者の専門分野は異なっているが，いずれもその道を究めた達人である．石井先生を聴き手として繰り広げられるこれらの対談では，石井先生ご自身の，「医療者として糖尿病患者の心理をどのように読み解き，どのように対応すべきか」という問い・悩み・迷いがそれぞれの対談者に投げかけられる．それに対し，人間という存在にそれぞれの専門的側面からアプローチしている各対談者が，自らの経験・学識・人間性に裏打ちされた深い洞察を踏まえ，見事に応えられる珠玉の言葉が随所にちりばめられている．相互啓発とはこのような対話をいうのであろう．各対談の最後には要約があり，各対談者の語られたキーワードが再掲されていることも，内容の理解を深めるのに役立っている．

　本書を読んで私が初めて知ったことも多い．現在，石井先生が提唱し主導されている「糖尿病医療学」が，今は亡き河合隼雄先生との対談の中で河合先生が語られた「『医療学』を創れ！」という言葉にその原点があり，河合先生に背中を押される形で実現したことを知った．また，現日本糖尿病学会理事長であり糖尿病学研究の中心となっておられる門脇孝先生が，若き医師時代に多くの糖尿病患者さんと真摯に向き合われた診療姿勢にも感銘を受けた．

お知らせ 13巻8号 , 2015年8月 , pp.652

PDF(233KB)

フリーアクセス

New Books　糖尿病　作って食べて学べるレシピ—療養指導にすぐに使える糖尿病食レシピ集＆資料集平尾　紘一 13巻8号 , 2015年8月 , pp.669

PDF(196KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

　このたび，NPO法人西東京臨床糖尿病研究会に所属する管理栄養士さんが「糖尿病作って食べて学べるレシピ」という本を出版しました．この管理栄養士さんたちは59施設の医療機関に出向いて，9,916件の栄養指導を行い，その活動の一環として，「糖尿病では美味しいものが食べられない」「食事療法はつらい」という考えを払拭しようと，平成16年に「糖尿病食を作って食べて学ぶ会」（調理実習）を開始しました．そのメニューの中からいくつかを選び，集大成したものです．

　本を開くと，まずは春夏秋冬のメニューがそれぞれ6つ程度載せられていて，普通血糖が上昇して敬遠しがちなカレーライス，チャーハン，豚カツ，ドリアなどがたくさん載っています．それにチヂミなどの韓国料理，中華料理，西洋料理や正月料理がレシピの中にちりばめられています．デザートも豊富で（別項を設けてまとめて記載もしている），また野菜の不足しがちなうどんや魚料理にうまく野菜をマッチさせているなど感心します．また別項の中には副菜レシピがまとめられ，ほうれん草の和え物，キャベツの和え物など，極めて豊富なレシピが収載されています．しかも，だれでも簡単に真似できるように工夫されているのにも感心します．また，レシピに続く資料のページがとても大切で，糖尿病の食事の基本から，バランスのよい食事の考え方，血糖を上げる栄養素の違い，食べ方の工夫，肉や魚料理の工夫，見えない油脂，食物繊維のこと，塩分のこと，外食・中食のこと，お弁当の工夫，あると便利な食材，電子レンジの使い方など，資料のページだけでも圧巻な内容です．ぜひぜひ御一読を勧めます．

購読申し込み書 13巻8号 , 2015年8月 , pp.687

PDF(128KB)

フリーアクセス

バックナンバー 13巻8号 , 2015年8月 , pp.688

PDF(160KB)

フリーアクセス

本誌の編集体制 13巻8号 , 2015年8月 , pp.689

PDF(150KB)

フリーアクセス

次号予告 13巻8号 , 2015年8月 , pp.690

PDF(190KB)

フリーアクセス

基本情報

糖尿病診療マスター
13巻8号
(2015年8月発行)

電子版ISSN：1347-8389 印刷版ISSN：1347-8176 医学書院

お気に入り登録(雑誌)
お気に入り登録(号)
最新号をみる

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング(
2月24日～3月2日
)

第1位低血糖の病態と診断手順—低血糖の定義と鑑別診断赤井裕輝糖尿病診療マスター 15巻 2号 pp. 96-101 (2017年2月15日) 医学書院
第2位薬剤による低血糖森保道糖尿病診療マスター 15巻 2号 pp. 141-143 (2017年2月15日) 医学書院
第3位 Cペプチドインデックス（CPI）税所芳史糖尿病診療マスター 13巻 3号 pp. 244-250 (2015年3月15日) 医学書院
第4位糖尿病患者における変化ステージモデルの応用―特に，前熟考期という段階をどう扱うか石井均糖尿病診療マスター 12巻 4号 pp. 363-367 (2014年5月15日) 医学書院
第5位糖尿病と骨折—糖尿病患者は骨折しやすいのか遠藤逸朗糖尿病診療マスター 14巻 4号 pp. 288-294 (2016年4月15日) 医学書院
第6位インスリン自己抗体による低血糖内潟安子糖尿病診療マスター 15巻 2号 pp. 138-140 (2017年2月15日) 医学書院
第7位腫瘍随伴症候群としての低血糖細井雅之,小原正也,薬師寺洋介糖尿病診療マスター 15巻 2号 pp. 144-147 (2017年2月15日) 医学書院
第8位糖尿病診療における臨床心理の役割と実際―臨床の知の場―シンポジウム石井均,皆藤章,原千晴,河合隼雄糖尿病診療マスター 4巻 1号 pp. 55-77 (2006年1月15日) 医学書院
第9位自験例の書き方(症例)から学ぶ糖尿病療養指導―管理栄養士編室田享子,竹田夏代子,佐々木美香,赤澤知美糖尿病診療マスター 8巻 3号 pp. 350-353 (2010年5月15日) 医学書院
第10位虚偽性低血糖症中神朋子,近藤有一郎,片峰亜季糖尿病診療マスター 15巻 2号 pp. 148-151 (2017年2月15日) 医学書院

糖尿病診療マスター 13巻8号 (2015年8月発行)

特集 糖尿病から脳を守る

対談

Perspective◆展望

季節を感じる糖尿病食—旬の野菜と身近な卵で

糖尿病運動療法“ヒヤリ・ハット”・5

専門医に訊くCommon Disease最新の知識

糖尿病診療トレーニング問題集

海外文献紹介

--------------------

基本情報

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング( 2月24日～3月2日)

特集　糖尿病から脳を守る

文献閲覧数ランキング(
2月24日～3月2日
)