Japanese
English
特集 2型糖尿病診療における15のコントロバシー
Ⅳ糖尿病の代謝管理
血糖管理は食後血糖を含めてどこまで厳格に行うべきなのか―異論/争論,私の意見
How low should we go in glucose control ?
能登 洋
1,2
1国立国際医療研究センター病院 糖尿病・代謝・内分泌科
2東京医科歯科大学医学部
キーワード:
①細小血管症
,
②大血管症
,
③死亡
,
④低血糖
,
⑤メタアナリシス
Keyword:
①細小血管症
,
②大血管症
,
③死亡
,
④低血糖
,
⑤メタアナリシス
pp.380-386
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101521
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
高血糖は細小血管症(網膜症,腎症,神経障害)・大血管症(心血管疾患)・死亡のリスクファクターである.特に食後高血糖の影響が近年着目されている.一方,リスクファクターである高血糖を厳格に管理すれば,これらの合併症・死亡のリスクが低下することが理論上は期待される.
臨床研究ではイベント発生・治癒・死亡など臨床的な指標を真のエンドポイントといい,血液検査値や画像所見などの検査所見(マーカー)を代用(代理)エンドポイントという.真のエンドポイントを追跡するには時間がかかるが,代用エンドポイントの測定は比較的簡便である.しかし気をつけるべきことは代用エンドポイントと真のエンドポイントは必ずしも相関しないということである.
本稿では糖尿病合併症・予後に関し,安全で確実な管理目標値・薬物療法について実証報告をもとに検証する.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.