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特集 患者満足度を高める糖尿病診療
第1部 外来で患者満足度を高める
こんな患者を診るとき
スタチンは誰に投与すべきか?
Do you need a Statin ?
石井 純
1
1北海道社会保険病院 内科
キーワード:
虚血性心疾患
,
高脂血症
,
リポ蛋白
Keyword:
虚血性心疾患
,
高脂血症
,
リポ蛋白
pp.214-217
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100671
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冠動脈疾患をもつ糖尿病患者に対し,内服治療で満足度を高める―例えば脂質治療
スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)は「コレステロール降下薬ではなく,動脈硬化予防薬である」と捉えると,患者も理解しやすい.
スタチンの大規模臨床試験は1次予防・2次予防を含め多数行われていますが,対象の違いやコレステロール値の高低によらず,その有効性が確認されており,心血管イベントの相対リスク減少は,約20~40%程度です1,2).一方,高コレステロールは心血管イベントの危険因子の1つにすぎません.もし対象によらず相対リスクが同程度に減少するのであれば,絶対リスク低下の多いハイリスク患者に投与すべきだと考えられます.多少乱暴な表現ですが,「スタチンは高コレステロールだから投与する」のではなく,「大血管障害のリスクが高いから投与する」のです.
外来指導の実際
患者さんに,1)動脈硬化の危険因子をいくつ持っているのか,2)既に動脈硬化の進行を示す所見があるのかを示し,患者さんにも自分の持つ危険因子を認識してもらいながら治療方針について相談します(Box 1).
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