糖尿病診療マスター 13巻1号 (2015年1月発行)

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特集　10 Topics in Diabetic Complications and Diabetes-Related Diseases—糖尿病合併症と関連疾患の新たなる展望

糖尿病網膜症—診断と治療における進歩，今後の展望今泉　寛子 13巻1号 , 2015年1月 , pp.10-15

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POINT

・糖尿病網膜症は失明原因の2位で，増殖網膜症と黄斑浮腫が視力低下の原因．

・黄斑浮腫の治療は抗VEGF薬硝子体内注射にシフト．

糖尿病腎症—診断と治療における進歩，今後の展望北田　宗弘 , 古家　大祐 13巻1号 , 2015年1月 , pp.16-22

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・糖尿病腎症は早期に発見し，早期から包括的に治療を行うことにより寛解しうる．

糖尿病神経障害—診断と治療における進歩，今後の展望佐々木　秀行 13巻1号 , 2015年1月 , pp.24-29

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・病型分類，診断基準，重症度に関する新たな国際的コンセンサスが提唱された．

・神経障害性疼痛の新たな治療薬が使用可能となった．

糖尿病足病変と末梢動脈疾患—診断と治療における進歩と将来展望浦澤　一史 13巻1号 , 2015年1月 , pp.31-34

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POINT

・糖尿病症例においては，末梢神経障害や血流障害が原因となり難治性足病変（潰瘍・壊死）を生じる場合がある．

・CLIが疑われる症例においては迅速な診断と治療が重要である．

・CLIを含む多くのPAD症例治療においてEVTはバイパス手術と並んで重要な治療法となっている．

糖尿病患者における非アルコール性脂肪性肝疾患（NASH/NAFLD）—診断と治療における現状と今後の展望守屋　聡 , 前田　慎 13巻1号 , 2015年1月 , pp.35-39

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POINT

・NASH/NAFLDはメタボリックシンドロームの肝臓での表現型である．

・治療は運動や食事といった生活習慣改善が中心となる．

糖尿病患者における認知症—診断と治療における進歩，今後の展望櫻井　孝 13巻1号 , 2015年1月 , pp.40-44

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POINT

・糖尿病は認知症のリスクである．

・糖尿病治療により認知症の発症を予防する視点が重要である．

糖尿病患者における骨粗鬆症—診断と治療における現況と今後の展望山本　昌弘 , 杉本　利嗣 13巻1号 , 2015年1月 , pp.45-50

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POINT

・糖尿病による続発性骨粗鬆症は，骨質低下により骨脆弱性が亢進した特有な病態が特徴である．

・骨コラーゲンの過剰糖化，骨形成の低下，骨代謝回転の低下，細くて多孔化した皮質骨のような骨質変化がある．

・骨代謝に影響が少ない血糖降下薬で良好な血糖状態を維持することは，骨折予防に有効である可能性がある．

糖尿病患者におけるうつ病—うつ病併存症例を診療するための方策と現状の課題峯山　智佳 13巻1号 , 2015年1月 , pp.51-55

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POINT

・うつが併存すると健康寿命が短縮する．

・うつのスクリーニングは環境整備を行い，系統的に実施される必要がある．

糖尿病患者における歯周病—診断と治療における進歩，今後の展望長澤　敏行 , 辻　昌宏 , 古市　保志 13巻1号 , 2015年1月 , pp.56-61

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POINT

・歯周病はプラーク細菌による慢性炎症性疾患で，炎症によるインスリン抵抗性の上昇が血糖コントロールを悪化させると考えられている．

・歯周治療は口腔清掃指導から始まり，患者自身のプラークコントロールが適切にならなければ治療は奏効しない．

・脳梗塞のリスクが高い糖尿病患者に対しては，内科と歯科の協力によって脳梗塞を予防すること，万一発症してもQOLを維持できるように備えることが必要である．

糖尿病患者におけるがん—2つの病いを抱える人を支えるために知っておくべきこと大橋　健 13巻1号 , 2015年1月 , pp.62-67

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POINT

・糖尿病（主に2型糖尿病）は大腸がん，肝臓がん，膵臓がんなどの罹患リスク増加と関連がある．

・一部の糖尿病治療薬によりがん罹患リスクが増減する可能性があるが，エビデンスはまだ限定的である．

・糖尿病を有するがん患者では，周術期や化学療法時など適切な糖尿病管理が重要であり，がん治療チームと糖尿病治療チームの緊密な連携が求められる．

Perspective◆展望

糖尿病を新たな視点からとらえる𠮷岡　成人 13巻1号 , 2015年1月 , pp.7-8

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　「糖尿病患者において血糖コントロールを良好に保つことの目的について説明してください……」という質問を研修医に投げかけた時，どのような答えが返ってくるでしょうか？

　自分自身のことを顧みて，30年前であれば，「高血糖に基づく代謝障害を改善することで，急性合併症である高血糖昏睡や慢性合併症である網膜症などを抑止するため」という答えが返ってきたのではないでしょうか．この答えの前半は正しいのですが，後半部分が正しいと証明されたのは1993年，今から22年前のことです．DCCT（Diabetes Control and Complications Trial）の結果によって，初めて，血糖の良好なコントロールを目指すことが網膜症や腎症の発症・進展を抑止しうることが科学的に証明されたのです．最近では学生や研修医に同じような質問をすると，「合併症の抑止」ということ以外にも，「糖尿病患者のQOLを高く保つ」とか，糖尿病の併発疾患として注目されている「歯周病や認知症の発症を防ぐ」などという答えが返ってくることもあります．

糖尿病患者の足を守る〔Basic 編〕—足をみる・きく・ふれる・1【新連載】

足を見る仲村　直子 13巻1号 , 2015年1月 , pp.69-72

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この足を見て，何がわかりますか．何を思いますか．

症例1　　A氏　50代　男性

●爪が短い．深爪している．→足に手が届くのかな，見えているのかな．

●白い粉が吹いて，なんだか汚い．

●水虫（白癬）がありそう．→足のお手入れをする習慣がないのかな．

●足底は角化している．→よく歩く人なのかな．

作って食べて学ぶ！　糖尿病食・1【新連載】

バランスのよい食事とは？飯塚　理恵 , 高井　尚美 , 土屋　倫子 , 中野　貴世 , 飯村　直子 13巻1号 , 2015年1月 , pp.73-77

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主　　食：もち麦入りごはん

主　　菜：秋刀魚と野菜の炒め物

副　　菜：蒸しなすの和え物，きのこたっぷり汁

デザート：洋なしのコンポート

海外文献紹介

人工甘味料は腸内細菌叢を変化させ耐糖能を悪化させる長谷川　夕希子 , 中神　朋子 13巻1号 , 2015年1月 , pp.78-79

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　Non-caloric artificial sweeteners（人工甘味料；NAS）は安価で，砂糖の何倍もの甘味をもつ成分で，天然には存在せず人工的に合成されたものです．サッカリン，スクラロース，アスパルテームなどがあり，カロリーを抑えて甘味を感じるため，耐糖能異常や2型糖尿病患者の嗜好品によく使われてきました．一方で，NASと体重増加や2型糖尿病の発症リスク上昇の関連も報告されており，NASの使用に関しては議論の余地があるところです．多くのNASは消化管で消化されず，そのまま通過するため，腸内細菌叢に影響を与えるのではないかといわれます．また，腸内細菌叢の変化がメタボリックシンドロームと関連することも多くの研究結果から明らかとなっています．そこで，本研究ではNASが腸内細菌叢や耐糖能にどのように影響するか検討しています．

　方法としては，10週齢のC57BL/6マウスに，それぞれサッカリン，スクラロース，アスパルテーム，スクロース，グルコースを飲水中に混ぜて投与し，11週後に経口ブドウ糖負荷試験を行いました．するとサッカリン，スクラロース，アスパルテームを投与したマウスは耐糖能異常を示しました．

どうする?! 糖尿病患者のCommon Disease対応

腎盂腎炎志水　英明 13巻1号 , 2015年1月 , pp.80-83

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症例1　70代女性．主訴発熱，右腰背部痛，悪心，嘔吐．

●現病歴　糖尿病で通院中，数日前からの排尿時痛と頻尿あり，本日悪寒を伴う発熱，右の腰背部痛，悪心，嘔吐が出現．外来時の尿検査で亜硝酸反応陽性・白血球エステラーゼ反応陽性，尿のグラム染色でグラム陰性桿菌が多数．

●身体所見　血圧 105/55mmHg，心拍数 110/分，体温 38.2℃，SpO₂ 95%，呼吸数 14/分．

●本症例での対応　発熱・悪心・嘔吐などの全身症状があるため，入院管理とした．血液培養と尿培養を提出し経静脈的に抗菌薬を投与，翌日に血液培養陽性．約72時間後に解熱，経口摂取も可能となった．後日，尿培養：大腸菌10⁷CFU/mL，血液培養：大腸菌．

●診断　腎盂腎炎（菌血症）．

●治療　抗菌薬投与（入院管理）．

“目からウロコ”の糖尿病運動療法・7

「歩く」を極める—[2]正しく歩くための体づくり小池　日登美 13巻1号 , 2015年1月 , pp.84-85

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　前回は，正しい歩き方を行うために必要な「立つ」姿勢の重要性と，上半身を中心とした「肩と肩甲骨を柔軟にする」方法を紹介しました．

　今回は歩き方のチェック方法と，下肢を中心としたトレーニング方法を紹介します．

糖尿病診療トレーニング問題集

専門医レベル大野　洋介 13巻1号 , 2015年1月 , pp.87-89

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症例　48歳，女性

既往歴　10歳尋常性白斑，46歳るい痩・肺炎で入院，46・47歳痙攣発作（詳細不明）．

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Clinical Pearl集編集室 13巻1号 , 2015年1月 , pp.2-3

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今号の特集は，糖尿病の合併症・関連疾患の現状と今後の展望について，各分野のエキスパートに解説いただきます．各テーマについて「このことはぜひ伝えたい！」というメッセージを，“Clinical Pearl”として以下のスライドにまとめていただきましたので，こちらも併せてご覧ください．

お知らせ 13巻1号 , 2015年1月 , pp.86

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第20回日本糖尿病眼学会総会

期　日：2015年3月6日（金）〜8日（日）

会　場：ソラシティカンファレンスセンター

　〒101-0062　東京都千代田区神田駿河台4-6　御茶ノ水ソラシティ1F・2F

バックナンバー 13巻1号 , 2015年1月 , pp.90

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購読申し込み書 13巻1号 , 2015年1月 , pp.91

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投稿規定 13巻1号 , 2015年1月 , pp.92-94

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本誌の編集体制 13巻1号 , 2015年1月 , pp.95

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次号予告 13巻1号 , 2015年1月 , pp.96

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基本情報

糖尿病診療マスター
13巻1号
(2015年1月発行)

電子版ISSN：1347-8389 印刷版ISSN：1347-8176 医学書院

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