海外文献紹介
人工甘味料は腸内細菌叢を変化させ耐糖能を悪化させる
長谷川 夕希子
1
,
中神 朋子
1
1東京女子医科大学糖尿病センター
pp.78-79
発行日 2015年1月15日
Published Date 2015/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200061
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Non-caloric artificial sweeteners(人工甘味料;NAS)は安価で,砂糖の何倍もの甘味をもつ成分で,天然には存在せず人工的に合成されたものです.サッカリン,スクラロース,アスパルテームなどがあり,カロリーを抑えて甘味を感じるため,耐糖能異常や2型糖尿病患者の嗜好品によく使われてきました.一方で,NASと体重増加や2型糖尿病の発症リスク上昇の関連も報告されており,NASの使用に関しては議論の余地があるところです.多くのNASは消化管で消化されず,そのまま通過するため,腸内細菌叢に影響を与えるのではないかといわれます.また,腸内細菌叢の変化がメタボリックシンドロームと関連することも多くの研究結果から明らかとなっています.そこで,本研究ではNASが腸内細菌叢や耐糖能にどのように影響するか検討しています.
方法としては,10週齢のC57BL/6マウスに,それぞれサッカリン,スクラロース,アスパルテーム,スクロース,グルコースを飲水中に混ぜて投与し,11週後に経口ブドウ糖負荷試験を行いました.するとサッカリン,スクラロース,アスパルテームを投与したマウスは耐糖能異常を示しました.
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