助産雑誌 75巻3号 (2021年3月)

特集 コロナ禍で必要な若年女性への支援とは?

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2020年春,新型コロナウイルスの影響で外出自粛を要請された時期から,意図しない妊娠に関する若年女性からの相談件数が増えました。感染症への不安と,予期せぬ妊娠による不安で,押しつぶされそうになった女性の悩みの大きさは想像を絶するものでしょう。

こうした若年女性の思いがけない妊娠は,一般的な妊娠と比べると精神的・経済的なリスクが高いといった理由から,一層細やかな支援が必要とされます。本特集では「若年妊娠に関すること」「妊娠の不安におびえる若年女性へのサポート」「予期せぬ妊娠の前に必要な活動」をテーマとし,コロナ禍で必要な若年女性への支援について考えたいと思います。

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若年妊娠・出産をした女性(若年母)へのサポートを考える際,どのような女性であるか,具体像をイメージできるようになることは非常に重要です。本稿ではまず若年母の特徴と,筆者らが作成した若年母たちを包括的にサポートするための支援プログラムについて解説していただきました。

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本稿では,津軽保健生活協同組合健生病院での過去10年にわたる10代女性の妊娠・出産への支援を振り返っていただきました。支援を行われる中での学校とのやり取り,養子縁組のつなげ方といった,さまざまな取り組みを共有したいと思います。

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本稿では,まつしま病院で行われてきた若年妊娠への支援,および若年妊娠に関するコロナ禍の影響について述べていただきました。

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本稿では,NPO法人ピッコラーレが運営されている「にんしんSOS東京」で行われている支援の内容や持ち寄られた相談事例,そして若年妊婦のための居場所を作るための事業「ぴさら」について述べていただきました。

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新型コロナウイルス流行により,2020年4月には1回目の緊急事態宣言が発令されました。その際,多くの人が家で過ごすようになり,10代からの妊娠相談件数が急増しました。本稿では悩める女性の相談に対応されている筆者に,女性の背景や,相談対応の内容のデータを示していただくと共に,今,若者に必要とされている性教育について述べていただきました。

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近年,緊急避妊薬の市販化が検討され始めたことが話題となりました。本稿ではNPO法人ピルコンが緊急避妊薬へのアクセスの改善のために行った活動を振り返ると共に,緊急避妊薬の効能や,安全性,そして海外での利用状況などを述べていただきました。

Focus

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赤ちゃんが泣く理由

 新米のパパママにとって,子育ての最初の難関の1つが,泣きわめく赤ちゃんとどう向き合うか,であろう。おむつを替える,ミルクをあげる,ということで泣きやむのなら簡単な話であるが,夜も頻繁に泣き声で起こされ,寝不足のぼーっとした頭で考えると,この簡単な解決策すら思いつかないこともある。

 医者の世界では,次の手が思い浮かばないときのために,あらかじめ「鑑別診断」の一覧表を用意しておくとスムーズで,一覧をチェックする習慣をつけておくと診断の“漏れ”がなくなる。心理的に追い込まれた状況では,とても視野が狭くなってしまい,普段なら容易に思い付くことにたどり着けなくなってしまう。チェックリストを外部化しておくことは,視野狭窄を解除して普段の水準に近付けることにかなり役立つのである。

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 WHOは2020年を「看護・助産の年」と位置付け,世界中でNursing Nowキャンペーンを実施しています。キャンペーンに関連して,2020年12月下旬に「世界の卓越した女性の看護師・助産師のリーダー100人」がWHO,UNFPA,International Confederation of Midwives(ICM),and Nursing Nowの選考委員によって選出され,その1人に新福洋子さん(広島大学大学院医系科学研究科国際保健看護学教授,助産師)が選ばれました! ケアリングの理論で知られるジーン・ワトソン氏(コロラド大学名誉教授)なども名を連ねる世界的なリーダー100名の中に,日本からも1名,助産師の若いリーダーが選ばれたことは特段に素晴らしいことです。

連載 続・いのちをつなぐひとたち・27

秋山正子さん
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病院でもない,家でもない,自分を取り戻す「第三の場所」で今,求められるがんのケアとは

現代は,2人に1人ががんになる時代。もともと産科病棟で働く助産師だった秋山正子さんは,家族を家で看取った経験からがん看護の世界に飛び込み,ケアの場を家庭へ,そして4年前からは「マギーズセンター」という予約も利用料も要らない場へと広げました。マギーズセンターでは,温かい空気の中で訪れる人が「患者」から本来の自分に戻り,自らの力で治療を選んだり,暮らし方を考えたりできるようになるといいます。そこには,まさに助産に通じるものがあります。

連載 宝物,教えてください・61

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 トルコが好きで,今まで5回旅している。

 トルコは,石器時代から古代ギリシャ,ビザンチン帝国,オスマン帝国と,一国でさまざまな時代の遺産を見ることができるのが楽しい。写真は3回目の旅でエフェスに行った時に博物館の土産物屋で購入した「エフェソスのアルテミス」のレプリカである。アルテミスは,太陽神アポロンの双子の姉で,月と狩猟の女神,産婆の神でもある。この「エフェソスのアルテミス」は,ギリシャで見る彫像や西洋絵画に出てくる美しく控え目な女性像のアルテミスとはあまりに違う,異形の女神である。

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萩野稲荷神社の乳もらい地蔵 北海道北斗市萩野30-27

萩野稲荷神社は久根別川河畔にある鎮守社で,地蔵堂の地蔵は「乳もらい地蔵」と呼ばれ,お供えした米でご飯を炊くと母乳に恵まれ,丈夫な子が育つと伝えられている。現在,町内会婦人部の方々がお地蔵さんに着物を着せ,鼻筋に白粉を塗り,口に紅をさし,花を供えてお世話をしているとのこと。昔から女性たちは,安産と出産後にお乳がよく出ることを願ってきたが,それを今も大切にする気持ちが伝わる。

 神社の創立は明治初頭の北海道開拓時代のようである。以前は境内に地蔵堂と百万遍の塔が並んでいたが,道路拡張工事のため現在は少し離れた場所にある。百万遍のルーツは大数珠を百回繰り回す仏教行事で,家内安全,豊作,安産などを願うもの。境内にはほかに「かねのわらじ」がある。当時流行する疫病を退散させるためのシンボルとして,金属製の大きなわらじが信仰されたという。明治中頃から境内で開かれていた武部塾は,その後,分校を経て萩野小学校になったそうで,この地域の生活の発展に沿った移り変わりがあったことが分かる。

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医療コミュニケーションで重要なこと:知識,技能,態度

 何事を学ぶ際にも共通していえることですが,(1)知識,(2)技能,(3)態度という3つの側面を意識して学習することが重要です。医療コミュニケーションの学習でも同じことがいえます(表1)。

 「知識」は講義を聞いたり,教科書や文献を読んだりすることで身につけることができます。しかし,「技能」は実践しないと,身につけることができません。「技能」として身につくと,実際の現場で役に立つようになります。医療教育カリキュラムの中に,講義だけでなく,実習の時間が組み込まれているのはそのためです。

連載 ワタナベダイチが解説!両親学級アイスブレイク集 こんな時,どんなアイスブレイク?・11

誕生日順に並ぼう② 渡辺 大地
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はじめに

 前号で紹介した「誕生日順に並ぼう」というアイスブレイクは,大人数の学級で性別問わず実施できるという利点がある一方で,少数の学級では盛り上がらないというデメリットがあると解説しました。そこで今回は,それほど大人数でなくても「誕生日順に並ぼう」のエッセンスを使って実施できるアレンジバージョンを紹介します。一方で,人数が多すぎて収拾がつかなくなりそうな場合の解決策もいくつか紹介したいと思います。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・65

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沿革・理念

 安田学園は,「女性のために教育の場を」という初代学園長 安田リヨウ姉の願いから生まれた学園です。その歴史は,1915年に開校した広島技芸女学校に始まります。現在では,4研究科7学部1短期大学(文学研究科,家政学研究科,薬学研究科,看護学研究科,文学部,教育学部,心理学部,現代ビジネス学部,家政学部,薬学部,看護学部,短期大学)が揃う女子の総合大学になり,2015年で創立100周年を迎えました。一方で,看護学部としての歴史は浅く,2014年に開設。そのため,助産師養成課程は2020年春に3回生を輩出したところです。

 人間教育を目指す安田学園の学園訓は「柔しく剛く」。人が人として生きていくために大切な「やさしさ」と「つよさ」を共に育てたいという,教育理念を表現したものです。学園ホームページの学長挨拶にもありますように,「人間として共感し,お互いを思いやる徳の涵養を重んじ,併せて,人として現代社会で生き抜くために求められる知識と技術を身に付け,堅忍不抜のへこたれない精神の育成」に力を入れています。

連載 りれー随筆・434

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暮らしの中の助産

 開業助産師として歩んで丸12年が経ちました。開業したての頃は,まだ息子たちは幼く(長男6歳,次男2歳),朝は入院中のお母さんのご飯作りに始まり,家事をし,息子たちの世話をしてから学校や保育園に送り出し,健診をしながらその合間に入院中のお母さんのお昼ご飯を作り(これが自身やスタッフのまかないにもなる),また合間に2階の自宅に戻り,洗濯を干したり掃除をしたりする。入院中のお母さん,赤ちゃんのケアや実習中の学生さんの指導が終われば,息子たちが帰ってくるまでに,つかの間の仮眠をとる(夜中にお産がありそうだ)。息子たちが帰宅したら,再び入院ごはん作り(これが家族の晩ご飯にもなる)をし,配膳が終わればつかの間のお母さん仕事。子どもたちが眠れば,ここから夜中の授乳介助や深夜のお産……。こうして暮らしも助産も,一つの建物の上階下階で繰り広げられる毎日を過ごしてきました。

 暮らしの中で日々生まれてくる赤ちゃんたちを通して,人生のスタートから自分の路は自分で切り拓き,命がけで「生まれる」ができた子どもたちなのだからと,息子たちのことも心から信頼して見守り,あれこれ手を出すことのない関わりができました。今,小さかった息子たちは高校3年生,中学2年生となり思春期真っ盛りです。自分の路は自分で切り拓いていく息子たちを見て,助産や赤ちゃんたちから教わったことと自身の育児が本当につながっているのを実感しています。

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助産雑誌
75巻3号 (2021年3月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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