助産雑誌 72巻5号 (2018年5月)

特集 暴力被害から女性を救う 助産師が担う大きな役割

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助産師がかかわる周産期の女性の中には,暴力被害にあっている人がいます。また産婦人科領域では,性暴力の被害者にかかわることもあるでしょう。女性への暴力は生まれてくる子どもにも影響を及ぼします。助産師の機転や気づきが,母子を救うきっかけにもなり得ます。

本特集では,DV 被害を受けた女性や子どもおよび性暴力被害にあった女性を守るために助産師に何ができるのか,助産師が具体的に行動できるような情報を提示しました。

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近年は「DV」ではなく,パートナーやLGBTのパートナーなどを含め,「親しいパートナーからの暴力」(IPV)という用語が広く用いられているそうです。本稿ではIPVを受けている女性と子どもへの影響や,スクリーニングを含めたチームによる支援方法をまとめていただきました。

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DV被害を受けた女性を支援するためには,正しい知識を得て,被害者に寄り添う力を専門職だけでなく,地域や社会が獲得していく必要があります。また,さまざまな形でDV被害に巻き込まれる子どもへのケアも重要です。

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DV被害を受けている母子を守るために,DV加害者のことを理解しておきたいと思います。彼らの価値観や特徴を知ることで理性をもって対応でき,計画的に母子を遠ざけることもできます。女性の安全を確保するために大切なことをまとめていただきました。

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まつしま病院における,DV被害や未婚女性等の社会的困難な妊婦に対する助産師の外来・ケアの内容を紹介していただきました。対策チームの体制,外来でのスクリーニング方法,被害女性への声掛けのし方など,具体的に伝えていただきます。

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性暴力被害者の医学的,心理的な総合支援を1か所で行なう「ワンストップ支援センター」の整備が全国で進んでいます。兵庫県立尼崎総合医療センターとNPO法人が連携して被害者を支えるという,その支援の実際をご紹介いただきます。

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今まで外来に来た女性の中に,もしかしたら性被害を受けた方がいたかもしれません。それほど,被害者然とした態度をとらない方もいるそうです。ここでは,SANE(性暴力被害者支援看護師)である筆者に,被害女性にはどのような対応をし,寄り添う必要があるのか,まとめていただきました。

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110年ぶりの改正という事実に驚きを隠せませんが,刑法の性犯罪規定がようやく被害者の人権問題として議論され,2017年に改正されました。しかし,積み残した課題も多々あるようです。今回の改正のポイントと今後の課題を解説していただきました。

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 一般社団法人日本家族計画協会が月に1回発行する健康教育広報紙『家族と健康』。この2017年11月1日発行号に,点字版母子健康手帳の交付を求める記事が掲載されました。日本家族計画協会では,1993年から点字版母子健康手帳の発行・販売をしていますが,一般にはその存在すら知られていないといいます。

 今回は,1991年当時,点字版母子健康手帳の制作の必要性を国に訴えた一般社団法人全日本視覚障害者協議会女性部の活動と,制作された経緯,現在の活用状況について,東京視覚障害者協会役員で,点字印刷・出版「雑草の会」代表の内田邦子さん,全日本視覚障害者協議会女性部部長の濱田登美さん,日本家族計画協会事務局長リプロ・ヘルス事業部長/常務理事の三橋裕行さんにお話をうかがいました。

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はじめに

 筑波大学の新たな学術協定校となるモンゴル国立医科大学との交流が進む中,2017年12月にはモンゴルにドゥーラを導入するための2日間のワークショップが同大看護学部で開催され,さらに今年の2月初めには助産学科長であるツェツェグマ・パーチャ教授が来学されました。

 モンゴルは同じ東アジア国であり,日本人にも蒙古斑がありながら,これまで詳しい情報は得にくかったと思います。今回と次回はモンゴルとの助産交流の中で知りえた,モンゴルの助産教育事情とドゥーラ導入ワークショップについてご報告します。

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 5月5日は「国際助産師の日」(International Day of the Midwife)。

 この日は世界各地で助産師に関連したイベントが開催され,助産ケアの重要性や助産師の必要性等について周知活動が行なわれている。日本においても,助産師の仕事や役割・専門性を多くの人に知ってもらい,身近に相談できる助産師の存在を紹介するイベントが各地で行なわれている。

連載 続・いのちをつなぐひとたち・3

森田圭子さん
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家庭訪問型子育て支援ボランティア活動を通して,母子をサポートする

2008年に日本での活動を開始したホームスタート・ジャパン。森田圭子さんはその副代表理事を務めるかたわら,自身が居を構える埼玉県和光市での子育てネットワーク構築に尽力されてきました。本号では,ホームスタートの仕組みや効果,和光市での取り組みを中心に,お話をうかがいました。

連載 宝物,教えてください・28

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 おぎゃーと弱々しく泣いて,その子はようやくこの世に生まれた。母親が安堵の涙を流していた。その傍らで,私も泣いた。助産師としての悔いが溢れ出て止まらなかったのだ。

 退院が決まった日,思いがけず,その母親から手紙をいただいた。

連載 ワタナベダイチが行く! 全国・両親学級レポート・5

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はじめに

 第2回,3回,4回と「産後の過ごし方や夫婦関係」に焦点を当てた両親学級を紹介してきましたが,今回は「お産の流れ」についてワークを交えてレクチャーする大阪の小阪産病院を取り上げます。特に初めてお産を迎えるプレパパ・ママにお産をイメージさせるのは難しいと言われていますが,同院ではどんな方法でアプローチしているのでしょうか。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・37

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開設から5年目を迎えました

 1995年に設置された茨城県立医療大学(以下,本学)看護学科助産コースを前身に,助産学専攻科(以下,専攻科)が産声をあげたのは2014年4月のことでした。地域母子保健のリーダーとなりうる助産師の育成を強く期待されての開設から,早いもので5年目を迎えます。

 北に筑波山を,遠く西に富士山を望む本学は,国内第2位の大きさを誇る湖・霞ヶ浦まで5kmほどの距離に位置しています。近年の高速道路網(常磐自動車道,北関東自動車道,首都圏中央連絡自動車道)の整備によって,首都圏各地からの車でのアクセスが便利になりました。また,茨城空港開港によって,札幌,神戸,福岡といった都市との往来も比較的スムーズになっています。

連載 りれー随筆・400

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ベトナムでの母子手帳の普及活動

 2015年7月から2017年6月までの約2年間,JICA青年海外協力隊で助産師としてベトナムのアンザン省リプロダクティブヘルスケアセンターに派遣された。現地の同僚とともに妊婦健診を行ない,産前教育の強化,母子手帳の普及をしていくという要請を受け,試行錯誤しながらの活動であった。

 母子手帳は,1942年に初めて日本で使用が開始された。当時の日本の妊産婦死亡率は出生10万に対し269だった。手帳の普及によって,自治体が地域の妊娠・出産の現状を把握でき,病院や保健師による母体のリスク管理指導,赤ちゃんの予防接種,成長発達のモニタリングが可能となり,周産期死亡を劇的に減らすことができた(2015年は日本の妊産婦死亡率出生10万人に対し5,ベトナムは54)。

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助産雑誌
72巻5号 (2018年5月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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