連載 りれー随筆・400
ベトナムでの生活と母子保健活動
藤井 光
pp.394-395
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665201013
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ベトナムでの母子手帳の普及活動
2015年7月から2017年6月までの約2年間,JICA青年海外協力隊で助産師としてベトナムのアンザン省リプロダクティブヘルスケアセンターに派遣された。現地の同僚とともに妊婦健診を行ない,産前教育の強化,母子手帳の普及をしていくという要請を受け,試行錯誤しながらの活動であった。
母子手帳は,1942年に初めて日本で使用が開始された。当時の日本の妊産婦死亡率は出生10万に対し269だった。手帳の普及によって,自治体が地域の妊娠・出産の現状を把握でき,病院や保健師による母体のリスク管理指導,赤ちゃんの予防接種,成長発達のモニタリングが可能となり,周産期死亡を劇的に減らすことができた(2015年は日本の妊産婦死亡率出生10万人に対し5,ベトナムは54)。
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