研究・調査
シエラレオネ国の農村部において分娩介助者が果たしている役割
藤井 千江美
1
,
中村 安秀
1
1大阪大学大学院人間科学研究科
pp.302-307
発行日 2017年4月25日
Published Date 2017/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200741
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緒言
近年,WHOなどの国際援助機関は,妊産婦死亡率を減らすために,すべての女性が熟練分娩介助者(SBA:Skilled Birth Attendant)により施設で分娩する必要性を掲げている。SBAとは,WHOの定義によると,「(合併症のない)正常の妊娠,分娩,産褥期を管理するのに必要な技術,そして母親,新生児の合併症時に搬送できる技術に熟達し,経験があり,訓練を受けたヘルス・プロフェショナルとして認可された助産師,医師,看護師」である1)。
WHOは,途上国の各国政府にもこの政策を取り入れることを推奨し,伝統的産婆(TBA:Traditional Birth Attendant)の役割は,地域の女性にSBAによる施設分娩を勧めることであると述べている1)。TBAとは,WHOの定義によると,「専門的訓練を受けておらず,自身の出産や他のTBAの見習いを通して技術を修得し,地域で妊娠,分娩,産後の世話をしている人」である2)。
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