助産雑誌 69巻12号 (2015年12月)

特集 バースレビューの心得

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バースレビューは現在,臨床現場で浸透しているケアの1つです。

褥婦にとって,お産のふりかえりはとても意味のあるものだと思いますが,気を付けなくてはならないのは,話をしたい褥婦がいる一方で,話したり,聞かれたりすることで,より深く傷つく褥婦もいる事実です。

心に何か引っかかったままのお産を助産師とともにふりかえることで,褥婦の気持ちがよい方向に変化した,というのは実は医療者側の思い込みかもしれません。

そこで,事例とエビデンスを紹介しながら,助産師がバースレビューに取り組む際の心得を再考してみました。

助産師は,妊娠中から女性の心身の変化をそばで見て,お産を介助し,そして産後も彼女たちのいちばん近くにいられる医療者です。

かかわりが多いからこそ,バースレビューに至るまでにできることや,バースレビューで気を付けるべきことを考えてみませんか。

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バースレビューが臨床現場に取り入れられて久しいですが,その目的・効果を一度,再考してもよいかもしれません。

助産学の発展のためには,よいと信じてきたことの根拠を探るために周辺領域の理論を応用することが求められています。

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助産師との一度きりの対話を通して,ネガティヴな出産体験が肯定的なものに変わるのでしょうか。

筆者自身の経験と文献レビューによって導かれた答えとは。

女性自身が納得のゆく物語にするための心得をまとめていただきました。

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出産経験を否定的にとらえていた2名の女性のナラティヴを紹介します。

出産経験の意味づけに助産師はどのように関与していけるのか,考えていきましょう。

現場での上手な話の聴き方 武藤 清栄
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助産師は日頃から,受容・傾聴・共感を意識して妊産褥婦にかかわっていると思います。

それらを深く掘り下げて,話し手が心から話を聴いてもらえたと思えるような,

実践に即したポイントをまとめていただきました。

連載 いのちをつなぐひとたち・48【最終回】

南野知惠子さん 畑中 郁名子
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助産師としての経験を生かして参議院議員になり,DVや性同一性障害の法律整備に尽力。

モンゴルやベトナムに助産師会をつくった実績ももつ。

助産師,参議院議員になった理由を聞いた。

連載 いのちのささやき・60【最終回】

祝福あれ 宮崎 雅子
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満たされて 眠れ

まばゆいばかりの 光の子

連載 やっぱり知りたい少子化のはなし・10【最終回】

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災害時の助産活動で気づいたもの

 「少子化対策」と呼ばれるわかりにくいものを調べてきたこの企画も今回が最終回になる。最後の取材で,私がぜひ行きたいと思ったのは,近年でもっとも急激な子どもの減少を体験した地域──福島県だった。

 2011年に東日本大震災と原子力発電所の爆発事故を経験した福島では,その翌年に若い人を中心とした著しい人口流出が起き,浜通り地域では出生数が震災前年との比で16.9%も減少した。福島県全体の出生数も,震災の前年には1万6126人だったが,震災翌年には1万3770人に落ち込んだ(厚生労働省「人口動態統計」2010,2012)。そして,福島に残りこの地で産み育てていくことを選んだ人たちも,原発事故がもたらしたストレスを抱え続けている。これは,福島の未来にとってとても深刻なことだ。

連載 スクリーンのなかの助産師 出産シーンあれこれ・12【最終回】

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シュワちゃんが妊娠?!

 日本では“シュワちゃん”の愛称で知られる,アーノルド・シュワルツェネッガー主演の「ジュニア」(1994年)。シュワルツェネッガー扮する主人公は,大学の生物工学研究所で受精卵の生殖器内部での着床力を補助して流産を克服し,胎児の正常な発育を促進する画期的な新薬を開発中の博士。ダニー・デヴィート扮する相棒は,腕のいい産婦人科医で病院を経営している医学博士だ。2人の共同研究が大詰めを迎えた時,FDA(米国食品医薬品局)が人体実験を認可しなかったため,窮余の一策で,シュワちゃんが自ら人体実験の被験者となり妊娠することになる。

 この実験は3か月で終わるはずだったが,実験に使った卵子の持ち主である女性博士(エマ・トンプソン)と恋に落ち,さらには自分のお腹の中で育ちつつある胎児に愛着を持ち始め,ついには子どもを産む決心をする……という奇想天外な物語が展開する。

連載 WORLD NEWS 助産のトピックス・12【最終回】

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Apple Watchを使ったNST

 2015年9月9日,アメリカのサンフランシスコで,Apple社が胎児心拍数をモニターできるApple Watchの新製品を発表しました。製品発表会の様子は,YouTubeで視聴できます(Airstrip for Apple Watchで検索)。

 この製品はApple社とAirStrip社が共同開発したものです。Apple Watchと,AirStrip社の製品であるSense4Babyが組み合わせてあり,胎児心拍数の継続モニター,NST(ノンストレステスト)が実施できます。Sense4Babyは,従来の分娩監視装置の陣痛計と胎児心拍数計の部分だけの機器です。

連載 ほんとうに確かなことから考える 妊娠・出産・子育てのはなし・4

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今回のテーマ

 妊娠・出産・子育て,この一連の流れのなかで,女性のメンタルヘルスは,その女性自身のみならず,子どもの身体的・精神心理的発達に影響をおよぼす可能性がある。さらには夫婦関係や家族関係,社会とのつながりといった点からも,重要な課題である。今回は,妊娠中から出産後までのメンタルヘルスについて考えてみる。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・12

静岡県立大学大学院 助産学分野
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 世界遺産である霊峰,富士山のふもとに静岡県立大学はあります。静岡薬科大学,静岡女子大学,静岡女子短期大学の県立3大学を統合し,薬学部,食品栄養科学部,国際関係学部,経営情報学部と短期大学部を有する大学として1987年にスタートしました。1997年には看護学部,2001年には大学院看護学研究科(修士課程)が設置されました。そして,2010年に看護学研究科助産学専門分野が設置され,看護学部での助産師養成を2011年に終了し,現在は2年間での助産師養成一筋に取り組んでいます。

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・136【最終回】

途上国と医療 冨田 江里子
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医療を受けられない理由

 私は,22年前に青年海外協力隊に参加して以来,ほとんどの年月を途上国と呼ばれる国で暮らしてきた。そのなかで,現代医療に手が届かないゆえの患者の苦しみと,現代医療の恩恵にあずかれないゆえに発揮される生命力の強さを知った。

 医療者の数が少なかったために伝統的産婆が活躍していた時代はすでになく,今はどの途上国でも医師も看護師も助産師も余っていると聞く。しかし,医療費の支払いが可能な患者が圧倒的に少ないため,患者が医療を受けられない。医師の都市への集中は日本と同じ状況だ。

連載 りれー随筆・372

天国に旅立ったあなたへ 井上 理惠子
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妹のような存在

 今年6月末,今の病院に同期入職した,妹のような存在の助産師を胃がんで亡くしました。彼女は同期のなかでも,特に人懐っこく,優しく,周囲への気遣いができる人でした。また,正義感が強く,勤勉家で頼れる助産師でもありました。褒めちぎっているようですが,彼女を知るすべての人がそう語ると思います。

 当時,彼女は私を慕ってくれ,仕事場でもよく話をしましたし,プライベートでも何度か食事をしたり,小学校に上がったばかりだった私の娘と遊んでくれたりしました。

特別記事

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7月20日(月・祝)〜22日(水),横浜で第11回ICMアジア太平洋地域会議・助産学術集会(ICM APRC)が開催されました。

本稿では,ICM APRCの様子をお伝えするとともに,ICM会長のインタビューを紹介します。

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はじめに

 妊婦の冷え症は,マイナートラブルの1つとして,妊娠経過中に自然に軽快することから,医学的にはあまり重要視されてこなかった。

 しかし,先行研究において,一般女性の4割に冷え症があり,現代の妊婦の6割は,ホルモンの影響で改善されると言われてきたが,冷え感は妊娠中期以降にも持続していた1)。また妊婦の冷え症は,妊娠前の運動習慣の有無,睡眠時間,冷え症の対策の有無,マイナートラブルの有訴率や気分・感情状態の変化と関連していたことが明らかとなった2)

 妊娠中は,全身の血液循環を良好にすることが推奨され,下肢や腹部の冷えを予防するための生活指導やさまざまなケアが実践されてきた。しかし,冷え症を改善するための生活指導の効果を客観的に検証した研究は,ほとんど見られない。

 今回,冷え症の自覚に関連する生活習慣を明らかにすること,冷え症を改善するための生活指導や継続的な運動による冷え症の改善効果を検証すること,それらを今後の保健指導に役立てることを目的に研究し,得られた結果の一部を報告する。

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次号予告・編集後記

助産雑誌 第69巻 総目次

基本情報

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助産雑誌
69巻12号 (2015年12月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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