助産雑誌 69巻11号 (2015年11月発行)

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特集　新しい視点で保健指導を変えよう！

扉 69巻11号 , 2015年11月 , pp.893

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現在の日本における保健指導は，1996年の厚生省児童家庭局長通知の実施要領に基づき行なわれています。

それから十数年たった今，通知された当時とは妊産婦や家族の抱える課題が変化しています。

たとえば，高年初産といった身体的なリスクのある妊産婦，産後うつなど，メンタル面のリスクのある妊産婦，児童虐待防止のかかわりが必要な家族，などが増えています。

そのような理由から保健指導の見直しが必要になってきたため，厚生労働科学研究事業で，母子保健指導のあり方に関する調査が行なわれました。

その結果，夫も含め「親になること」と「いのちに向き合うこと」を重点的に支援する視点が，現代の保健指導には必要であることがわかりました。

病院と地域をうまくつなげ，新しい視点を取り入れ，保健指導を変えてみませんか。

保健指導に必要になってきた新しい視点とは市川　香織 69巻11号 , 2015年11月 , pp.894-899

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全国の市区町村での保健指導の現状と，これからの保健指導で必要となる新しい視点を解説していただきました。

地域と医療が連携して，「親になること」「いのちに向き合うこと」を支援していきましょう。

【実践報告❶】

個別保健指導から始まる社会的ハイリスク妊婦の支援和田　聡子 , 平田　瑛子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.900-906

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「社会的ハイリスク妊婦」の支援においても助産師による保健指導の場は重要です。

個別保健指導での把握から始まる他職種連携および地域連携の仕組みを紹介します。

【実践報告❷】

滋賀県助産師会と大津市の取り組み渕元　純子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.907-911

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滋賀県助産師会は大津市から委託を受け，「初めてのパパママ教室」を開催しています。

助産師会だからこそできる保健指導と，委託によって得られたものについて解説していただきました。

【実践報告❸】

産後の生活をイメージできる奈良市の両親学級の実際古川　奈緒子 , 川鍋　紗織 , 市川　香織 69巻11号 , 2015年11月 , pp.912-915

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妊娠中からの夫婦の関係性強化と，孤立しない子育てをめざした両親学級プログラムの実際を紹介します。

産後の生活をイメージするため，実際に赤ちゃんの泣き声を聞いたり，先輩ママと交流したりしています。

【実践報告❹】

西播地区周産期連絡会の活動太田　加代 69巻11号 , 2015年11月 , pp.916-919

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兵庫県の西播地区では，行政の保健師と，医療機関の助産師が定期的に集まり，話し合いや研修会を行なっています。

普段から顔の見える関係は，保健指導にどのように活かされているのでしょうか。

保健指導が苦手なあなたに濵脇　文子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.920-924

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健診結果の数字だけにしばられず，妊婦の物語を聴くことによって，生活者としての妊婦の様子が浮き彫りになります。

助産師が「指導」をしなくても，妊婦は自分を語り，今後どうすればよいか答えがわかっているのです。

Interview

父親の育児参加をうながす「両親学級」とは—白梅学園大学学長　汐見稔幸さんに聞く渡辺　大地 , みつい　ひろみ 69巻11号 , 2015年11月 , pp.926-930

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現在行なわれている両親学級の内容は，出産準備や赤ちゃんのお世話の方法といった知識の伝授が中心です。しかし昨今，産後のサポート不足や産後クライシス(産後の夫婦関係の冷え込み)が叫ばれ，産前から，産後を具体的にイメージし，夫婦が共同して育児をしていく方法を考える必要も出てきています。今後どのような両親学級が求められるのか，汐見稔幸さんにうかがいました。

追悼

畏友　進純郎博士を偲ぶ仁志田　博司 69巻11号 , 2015年11月 , pp.934-936

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　助産師を，そして『助産雑誌』を常にあたたかく見守り，支え続けた産婦人科医師・進純郎氏が，今年6月に永眠されました(享年68)。

　1970年代から常に一緒に，よりよい周産期医療をめざして奮闘してこられた新生児科医師・仁志田博司氏に，その思いをつづっていただきました。

連載　いのちをつなぐひとたち・47

杉下智彦さん畑中　郁名子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.885-888

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国際協力専門員としてアフリカに渡り，約20年間，現地での保健システム整備にかかわってきた。

その経験を活かして，ケニアとタンザニアに安全な自然分娩ができるクリニックを開設予定だという。その理由を聞いた。

連載　いのちのささやき・59

愛されている宮崎　雅子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.889

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夫婦が　愛し合う

子どもが生まれ　成長する

連載　やっぱり知りたい少子化のはなし・9

拡大する「婚活ビジネス」の今—株式会社ツヴァイに聞く河合　蘭 69巻11号 , 2015年11月 , pp.938-945

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　妊娠・出産の世界では「晩産化を食い止めなければ」という声が高まる一方だ。しかし，女性たちになかなか産まない理由を聞くと，「早く産んだほうがいいのはわかっているのですが，こればかりは相手がいることなので」と言う人が実に多い。

　国の統計でも，たしかに，未婚率はどんどん上がっている(図1)。30〜34歳の未婚者は，1970年代までは男女とも10人に1人程度だったが，今や男性は約半分，女性は3人に1人となった。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によれば，「いずれ結婚するつもり」と回答する未婚者は今なお約9割を占めているが，実際には，相手が見つからないのだ。

連載　ほんとうに確かなことから考える　妊娠・出産・子育てのはなし・3

妊娠中の運動，嗜好品について森　臨太郎 , 森　享子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.946-950

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今回のテーマ

　第3回である今回は，妊娠中の運動や，嗜好品(たばこ，アルコール，コーヒー)の是非について考えてみたいと思う。

連載　スクリーンのなかの助産師　出産シーンあれこれ・11

男性こそ見るべき出産映画(その1) 渡辺　俊雄 69巻11号 , 2015年11月 , pp.952-953

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「9か月」と「愛するための第9章」

　日本では妊娠期間を「十月十日」と言うが，欧米では「9か月」と呼ぶのが一般的なようだ。今回紹介する映画は，まずフランスで「愛するための第9章(仏語の原題はNeuf mois＝9か月)」(1993年)としてつくられた。そして気に入った題材を見つけると，何でもかんでも自分の国で英語にしてつくり直さないと気がすまないアメリカ映画界が，2年後にヒュー・グラント，ジュリアン・ムーアという人気スターを起用して「9か月(Nine Months)」(1995年)としてリメイクした。

　5年越しの恋人であるバレエ・インストラクターと子ども専門の精神科医が自由な同棲生活を送るうちに妊娠が発覚する。意外なことに，実は子どもが嫌いだった精神科医はパニックに陥り，いつまでたっても父親になる決心がつかない。そんな彼に愛想をつかした恋人は，ついに家を出て行ってしまう。そうこうするうちに，男性が「擬似陣痛」を体験することになり，2人の愛の深さを確かめるという，昨今増え続けている大人になりきれない「ピーターパン男」必見のラブ・コメディが「9か月」なのだ。

連載　WORLD NEWS　助産のトピックス・11

弛緩出血を止める子宮内バルーン・タンポナーデ講演会—開発途上国において母体死亡の減少に貢献高橋ゴールドマン　浩美 69巻11号 , 2015年11月 , pp.954-956

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　2015年7月15日，東部標準時(EST)午前10時(日本時間午後11時)から1時間ほど，子宮内バルーン・タンポナーデを紹介する講演会が開催されました。これは国際看護師助産師同盟(The Global Alliance for Nursing and Midwifery，本連載6月号参照)が主催したインターネットによる講演会です。その時の様子は録画されており，誰でも自由に閲覧できます(https://connect.johnshopkins.edu/p3aqxu6ds9b/)。

連載　未来の助産師を育てています　わたしたちの教育現場・11

和歌山県立高等看護学院　助産学科 69巻11号 , 2015年11月 , pp.958-961

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県立の助産師養成所として奮闘中

　和歌山県で助産師を養成している和歌山県立高等看護学院(以下，当学院)助産学科を紹介します。当学院は，看護学科一部(全日制，3年課程)，看護学科二部(昼間定時制，2年課程)，助産学科(全日制，1年課程)の3課程をもつ総合学園として看護職の養成を行なっています。和歌山県内の助産師養成機関は，県立医科大学専攻科と当学院助産学科の2施設のみです。定員は15名と少数ながら県内の助産師需要に対応するため，県立の養成所としての使命をもって運営を行なっています。

　当学院がある紀の川市は和歌山県の北部にあり，東には世界遺産で有名な高野山(2015年には開創1200年を迎えました)，北には大阪府との県境である和泉葛城山，南には一級河川の紀の川があります。春には周囲に広がる桃畑の桃が満開になり，6月にはホタルが飛び交う風光明媚な地です。また，1804(文化元)年に世界初の全身麻酔による乳がん摘出手術に成功した医聖華岡青洲生誕の地である「青洲の里」があり，当学院はその敷地に隣接しています。毎年秋には華岡青洲の偉業を称え，青洲まつりが行なわれます。本格的な時代衣装を身にまとって練り歩く時代行列に，当学院の学生たちもボランティアとして地域の方々とともに参加しています。

連載　バルナバクリニック発ぶつぶつ通信・135

モルジブでの経験［後編］冨田　江里子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.968-969

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現代医療の効果を知らない？

　伝統的産婆の不潔な分娩介助を見た私は，母子に何か異常があればすぐに連絡してほしいと伝えて，その場を辞した。もちろん異常になるだろう。だから，帰り道に薬屋に立ち寄ってインド製の抗生物質を購入し，呼び出しにいつでも応えられる用意をした。早めに呼んでくれるといいのに。そう願いながら，私は毎日病院勤務に出かけた。

　しかし，待てど暮らせど，連絡はない。地方病院ができてまだ8年ほどのこちらの人にとって，病院は新しい概念のものだ。でも，昔から患者はいたはず。つまり彼らは現代医療以外の方法に親しんでおり，現代医療の効果を体感として知らないのだろう。感染症が起こっているのに我慢しているのかもしれない。それか，ほかの方法で治そうとしているのかも。そう考えて，自分からもう一度，お産をすませた彼女の家を訪ねた。

連載　りれー随筆・371

家族とは……自分とは…… 加藤　真紀子 69巻11号 , 2015年11月 , pp.970-971

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　先日，下重暁子氏の『家族という病』(幻冬舎新書)という本を読んだ。下重氏の，夫を「つれあい」と称したり，自身が「奥様」と呼ばれたりすることが意にそぐわないなどの思考に，恐れ多くも共感する部分が多く，一気に読み進めた。私がそのような考え方になったのはいつの頃からか，少し自分史を遡ってみることにした。

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バックナンバーのご案内 69巻11号 , 2015年11月 , pp.925

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BOOKS 69巻11号 , 2015年11月 , pp.933

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Information 69巻11号 , 2015年11月 , pp.945

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Information 69巻11号 , 2015年11月 , pp.950

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Information 69巻11号 , 2015年11月 , pp.964-966

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News File 69巻11号 , 2015年11月 , pp.962-963

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次号予告・編集後記 69巻11号 , 2015年11月 , pp.972

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基本情報

助産雑誌
69巻11号
(2015年11月発行)

電子版ISSN：1882-1421 印刷版ISSN：1347-8168 医学書院

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特集 新しい視点で保健指導を変えよう！

【実践報告❶】

【実践報告❷】

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【実践報告❹】

Interview

追悼

連載 いのちをつなぐひとたち・47

連載 いのちのささやき・59

連載 やっぱり知りたい少子化のはなし・9

連載 ほんとうに確かなことから考える 妊娠・出産・子育てのはなし・3

連載 スクリーンのなかの助産師 出産シーンあれこれ・11

連載 WORLD NEWS 助産のトピックス・11

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・11

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・135

連載 りれー随筆・371