研究・調査
妊婦の冷え症を改善するための生活指導の効果に関する研究の一考察
小安 美惠子
1
,
増田 健太郎
2
1前・茨城県立医療大学大学院保健科学専攻科後期課程
2増田産婦人科
pp.1042-1047
発行日 2015年12月25日
Published Date 2015/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200376
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はじめに
妊婦の冷え症は,マイナートラブルの1つとして,妊娠経過中に自然に軽快することから,医学的にはあまり重要視されてこなかった。
しかし,先行研究において,一般女性の4割に冷え症があり,現代の妊婦の6割は,ホルモンの影響で改善されると言われてきたが,冷え感は妊娠中期以降にも持続していた1)。また妊婦の冷え症は,妊娠前の運動習慣の有無,睡眠時間,冷え症の対策の有無,マイナートラブルの有訴率や気分・感情状態の変化と関連していたことが明らかとなった2)。
妊娠中は,全身の血液循環を良好にすることが推奨され,下肢や腹部の冷えを予防するための生活指導やさまざまなケアが実践されてきた。しかし,冷え症を改善するための生活指導の効果を客観的に検証した研究は,ほとんど見られない。
今回,冷え症の自覚に関連する生活習慣を明らかにすること,冷え症を改善するための生活指導や継続的な運動による冷え症の改善効果を検証すること,それらを今後の保健指導に役立てることを目的に研究し,得られた結果の一部を報告する。
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