助産雑誌 63巻12号 (2009年12月)

特集 早期退院時代の黄疸管理

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新生児黄疸は生理的な現象として多くの児に見られるものですが,なかには核黄疸など,見逃してはならない重大な疾患が含まれます。また,母乳育児を進めるうえでも適切な対応が必要です。早期退院が推進される今,黄疸管理についての深い理解が求められています。本特集では,新生児黄疸の知識をおさえ,施設に応じた対応についてもご解説いただきます。

新生児黄疸の意味するもの 山内 芳忠
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新生児黄疸の総論として,新生児黄疸のメカニズム,生理的黄疸と病的な黄疸の原因,ならびに最近注目されているビリルビンの生理的役割,抗酸化作用,母乳との関係などについて解説します。

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病的黄疸,特に早発黄疸や重症黄疸をできるだけ非侵襲的にかつ見逃すことなく捉え,適切な治療へとつなげていくことは,非常に重要な課題です。ここでは早発黄疸の発見方法や,新生児溶血性疾患の鑑別診断などその後の対応を中心に解説します。

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新生児黄疸で最も重要なのは,核黄疸の発症を防ぐことです。ここでは核黄疸の予防という観点から,検査値(TB値,UB値,UB/TB値,UB/A値,ABR)の意味,特にUB理論から見たそれぞれの関連性についての知識を解説します。

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新生児高ビリルビン血症の治療は,交換輸血療法と光療法が主流となっています。本稿では,治療法の開発と機序解明の歴史を振り返りながら,最近の治療法の動向について解説します。

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検査・治療設備を持たない助産院では,黄疸の状態を見きわめ,今後の悪化が予想される場合にはすみやかに搬送へとつなげることが必要です。本稿では助産院における搬送基準と黄疸管理について,事例を挙げて紹介します。

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治療設備を有し,継続的な黄疸管理が可能な産科クリニックでは,経皮黄疸計および目視でのチェックのほか,血液検査の値についても評価を行なう必要があります。本稿では,クリニックにおける搬送基準と黄疸への対応について解説します。

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新生児黄疸の治療が可能な産科施設においても,状況によってさらに集中的な管理が必要となる事例に直面することがあります。本稿では,小児科・新生児科の立場から,施設で行なっている黄疸の管理,および搬送事例について提示します。

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産後の早期退院が進められているなかで,黄疸のピークが退院後に訪れることを考慮し,継続したフォローアップを行うことが必要です。本稿では,入院中からの黄疸のチェック体制と,退院後のフォローアップの流れを解説します。

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母乳育児において,新生児黄疸への知識と対応は必要不可欠です。

本稿では,BFHの立場から,母乳育児支援をしながら黄疸にどのように対応していくか,実際の管理方法とともに解説します。

連載 密着フォト・ルポ 助産師のいる風景【最終回】

杉山助産院 船元 康子
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杉山助産院が掲げるスローガンは「めざせ いいおんな」。

当院に訪れる妊産婦それぞれにじっくりとかかわり,1人ひとりをエンパワーメントするケアを実践している。

連載 スキルアップのための症例検討 問題発生時に助産師はどう対応するか・9

子宮内反症 進 純郎 , 高木 愛子
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症 例

 28歳,未経産,既往歴に特筆すべきものはなし。妊娠7週で妊娠を診断され,以後妊娠経過は順調で異常所見は認められなかった。外来妊婦定期健診での血液検査などでも異常は認めていない。

 月経歴:周期28日,持続7日間,身長157cm,体重58kg

 妊娠39週3日,陣痛が発来し入院となる。入院時血圧:124/68,尿蛋白(-),尿糖(-)

 入院後9時間56分で3056g,男児をアプガー・スコア9点(1分値),9点(5分値)で出生した。児娩出前に会陰正中側切開を施行した。

 児娩出後,胎盤はく離徴候を認めなかったため臍帯を牽引したところ,胎盤は下降し,児娩出後20分で胎盤は娩出した。しかし,胎盤娩出後出血が増量し,流れるような出血を伴ったため内診をしたところ,子宮口を確認できず半球状の腫瘤を触知した。患者の痛みの訴えはそれほどなく,意識も清明であった。

 腹壁から子宮体部を触診したところ,子宮底部に陥凹部が触れたため子宮内反症と診断した。出血量は800mLであった。

 子宮収縮剤オキシトシンを点滴で静脈注射し,握りこぶしを腟内に挿入し腫瘤を上方にゆっくりと押し上げたところ,外診の手に子宮底を触知でき,子宮内反が整復できたことを確認した。

 子宮内と腟に約2mのガーゼタンポンを挿入した。

連載 BFH認定をめざして チームで支える母乳育児・9

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はじめに

 助産師と小児科医とは本来協働して母乳育児を推進する立場にあるが,母乳育児に対する微妙な意識のズレを感じることがある。母乳育児を懸命に推進している助産師から,「産科医は無関心だし,小児科医は抵抗勢力だ」という嘆きを聞くことがある。なぜ,このような相違が生ずるのであろうか?

 母乳育児を進めるうえでは母子を一体として考える必要があるが,一般に助産師は母親を中心とした視点で捉える傾向があり,小児科医は新生児を中心に考えがちである。また,助産師は主に妊娠中から産院入院中にかかわるが,小児科医は産院入院中から退院後のかかわりが中心で,退院後の母乳育児にまつわるトラブルに遭遇する機会がときにある。

 連載第9回では,小児科医の立場から,私見を含めて母乳育児について記す。本誌の読者である助産師の方々に,小児科医の考えを理解していただき,立場の相違を乗り越えて,今後一層協力して母乳育児が広く普及する一助になれば幸いである。

 なお,今回はNICUに入院しているハイリスク児ではなく,いわゆる「正常新生児」を対象とした母乳育児支援について記す。「正常新生児」については新生児専門医だけがかかわるわけではないので,本稿でいう「新生児科医」とは新生児医療に関与する一般小児科医を含めたものである。

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年間500件の分娩を扱うのが目標

 日本にも大規模な院内助産院が出てきた。年間500件の分娩取り扱いを目指すという。また,その名も「メディカルバースセンター」だ。これまでの院内助産院とくらべると医師のかかわりが大きく,医療的なモデルを提案している。

 2009年4月の開設で,設置した病院は静岡県浜松市の県西部浜松医療センター。経営主体は浜松市医療公社で公的病院であり,静岡県の地域周産期母子医療センターに認定されている。その同じフロアに,新しい正常出産対象の病棟ができたのだ。

連載 抱っこ改造講座 自然な身体に出会う12のヒント・9

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 前回(連載第8回)は踏ん張らない立ち方によって全身の連動性が高まることを体感しました。今回はその要素も踏まえ,抱っこでの歩き方を考えていきましょう。

 歩くことはごく普通の動きであり,日頃の歩き方について,意識することは少ないかもしれません。しかし,抱っこをしながらの歩き方を改善することで,抱っこがより心地よいものとなる可能性があるのです。

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・69

大雨のなか生まれてきた命 冨田 江里子
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 ここの貧困の暮らしに安定はない。雨が続くなか,今日も10年以上違法に住んでいた場所から急に立ち退かされた家庭で,お産があった。

 追い出された彼らは行く場所がないので,目の前の道路に簡易の家を造り(おかげで道路は半分になり1車線分しか幅がない),わずかな家財道具一式を満載して,ブルーフライのシートの下で暮らしている。6畳ぐらいのスペースにひと家族,大人が7人,子どもは6人いた。産婦がいる場所は,かろうじてところどころ破れた布で仕切りが作られている。すき間だらけの家のなか,どこでもその気になれば外から見える状態だ。電気もなく,小さな簡易ランプが唯一の光だ。うっかり光を見ると,夜目がしばらく利かなくなる。子どもが時々,ダンボールや布のすき間からのぞいている気配が感じられる。

連載 りれー随筆・300

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衝撃的な出会い

 昭和58年,念願の助産師学校に入学。伝統あるバルナバを選んだ。その時に助産師による性教育の講座という衝撃的な出会いがあった。病院内のチャペルで助産師が講義をしているのを見学し,こんなすばらしい活動が助産師にあるのだと驚いた。いつか自分も必ずやってみたい,と思っていた。

 ところが,就職してからは仕事を覚えることに精一杯で,性教育どころではなかった。そして結婚,2児の母となり,家事と仕事に育児も加わって,1日24時間では足りない,と嘆く日々。気がつけば40代に差し掛かっていた。

連載 本のなる樹・12【最終回】

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 クリスマスは日本の伝統的な祝祭ではないけれど,最近ではお正月以上に楽しみにしている子どもや若者も多い。今年最後,そして最終回となるこのコーナーでは,クリスマスにまつわる絵本3冊をご紹介したい。

 最初は『ちいさなもみのき』。もう半世紀以上にわたって読み継がれている絵本で,子どもの本の編集者もしていたワイズ・ブラウンが文章を書き,私が大好きな画家クーニーが,文章には出てこない小鳥や小動物をていねいに描いている。

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「助産外来ガイドライン」作成から「院内助産ガイドライン」作成まで

助産師活用班の発足

 2006(平成18)年末,当時東北大学産科婦人科教授であった岡村州博先生から1本の電話をいただいた。厚生労働科学研究「分娩拠点病院の創設と産科2次医療圏の設定による産科医師の集中化モデル事業」(以下,岡村班)を実施しているが,助産師をメンバーに加えたいので入ってほしいという依頼だったように思う。その際には,助産師だけでなく,産科医師である石渡勇先生,中林正雄先生,澤倫太郎先生をメンバーに加えて,海野信也先生と連携しながら助産師の活用についての意見集約を進めてほしいという話であった。

 この科学研究は2006年度からスタートしていて,2006年度のまとめがされた際に,「助産師とチームを組むことが医師の集中化とも関係する」という議論があったため,途中から分担研究として「助産師活用システム―助産師外来推進のための諸課題に関する研究」班(以下,助産師活用班)を加えることになったことにほかならないと私は感じた。そしてこの話が来たのは,私は日本看護協会助産師職能理事であることから,日本の助産師の意見集約ならびに今後のシステム構築に役立つであろうと思われたのではないかと推察する。

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はじめに

 助産師としての病院勤務と大学教員を経て,私は現在,東京医科歯科大学(以下,本学)大学院保健衛生学研究科リプロダクティブヘルス看護学分野の博士(後期)課程に在籍しています。また,勉学の傍ら,本学医学部附属病院の産婦人科外来で非常勤助産師としても勤務しており,研究だけでなく臨床ともつながっていられる今の環境は,とても恵まれていると感じています。

 さらに今回,2008(平成20)年度大学院教育改革支援プログラムに採択された看護学国際人育成教育プログラムの一環として,米国ジョージア州アトランタにあるエモリー大学に約3週間研修に行き,大学院での助産師教育と,病院での助産師業務を見学する機会を得ましたので,ここに報告させていただきます。

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アメリカにおける助産師の歴史

ラング氏の経歴を振り返りながら

 新 野 2009年7月11日に,医療経済研究機構主催のセミナー「助産師の知恵,技,活動範囲の復活と発展を目指して」を開催しました。本日はセミナーを踏まえて,ラングさんからアメリカにおける助産師の歴史をご紹介いただき,その後,日本が今後めざすべき助産師の姿について皆さんの思いを話していただけたらと思います。

 まず,ラングさんにアメリカでの助産師の変遷をご紹介いただきたいと思います。

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1100人以上の参加!

 2009年7月4日(土),5日(日)に,NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会(以下,JALC/ジャルク)第26回母乳育児学習会in名古屋を開催しました。今回は,記念すべきJALC創立10周年の学習会で,海外からもお2人の講師を招聘しました。ここでは全8つの講義のなかで,このお2人の講義を中心に報告いたします。

基本情報

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助産雑誌
63巻12号 (2009年12月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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