助産雑誌 61巻9号 (2007年9月)

特集 助産倫理とは何か

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助産師に期待される役割が重くなるいま,助産師の職務を明確にし,その業務レベルを保ち向上させていくことは責務です。2006年には(社)日本助産師会より「助産師の声明」が出され,そこには助産師の定義,理念,倫理綱領,役割・責務などが示されています。特集では,「助産師の声明」を読み解き,臨床で働く助産師の責務とは何か,さらに倫理的問題に遭遇した時にどのように判断し,何を指針として考えるのかについて探ります。

看護実践の倫理 志自岐 康子
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臨床の場で,倫理的問題に直面し,ジレンマを感じた看護職は多いことでしょう。1人ひとりの看護職が日常の倫理的な問題を意識し,問題が生じたときには,看護職としてどう行動するかという,意思決定能力をもつことに意味があるのです。

助産と倫理 安達 久美子
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助産師とは何をする専門職なのでしょうか。助産師同士でその責務を明確にし,業務内容のレベルを保ち,その時代に合わせた科学・技術を研鑽することは大切なことです。助産師に期待される役割が大きくなっている今,日本助産師会から2006年に公表された「助産師の声明」を,解説していただきます。

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倫理というとどこか難しいイメージがありますが,助産師は臨床の場で,倫理的問題に直面する経験があると思います。しかし,そのことを倫理的問題として捉えられなかったり,個人の悩みとなってジレンマを感じている方もいるかと思います。座談会では,臨床,地域,教育に携わる立場から,助産師にとっての倫理について,語っていただきました。

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臨床のなかで不妊カウンセラーとして携わる著者に,カウンセリングで語られる治療対象者の思いを紹介していただきました。日進月歩している治療の発達が,対象者にとっては新たな悩みとなることもあります。カウンセリングでは,どのような点に心がけて支援しているのかや,そこでの助産師としてのジレンマについても述べていただきました。

生殖生命倫理学講義 松葉 祥一
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ここでは,医療職として必要な,倫理学と生命倫理学の基本的な考え方を解説していただきます。さらに,著者が行なっているディベートの授業をとおして,倫理学からみた生殖生命倫理にまつわる具体的な問題の考え方のプロセスを紹介していただきます。

連載 密着フォト・ルポ 助産師のいる風景

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「安全・快適・自然分娩」を基軸に,母子にとって最適なお産を目指す愛育病院。妊産婦と共に歩んでいく,そんな思いのもと,さまざまなケアが尽くされている。

連載 今月のニュース診断

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きっかけに

 年金の給付料(受け取る金額)が保険料の負担よりも下回ることを指摘する報道に多少関心を示すことはあるものの,働く世代の大部分にとって「年金」とは,今までさほど身近な話題ではなかったのではないだろうか。ところが,最近の各種報道(朝日5月26日など)で年金記録に関する諸問題が脚光を浴びるようになり,年金制度に対する信用が低下する一方で,人生設計のなかにおける年金の役割について関心や権利意識は高まっていると考えられる。

 このため,年金記録の不備の実態や政治的な駆け引きの側面はさておき,戦後レジームの脱却という社会の構造転換が進められる今,この問題をきっかけに社会保障を1人ひとりの人生のなかで改めて精査することは意義の高いことと言える。そこで,年金制度が子どもを産み育てること,および働くこと自体にどのような影響を及ぼすのか,それらを経済的な切り口から少しまとめてみる。

連載 筆から想いは広がって・6

天空から,胸の底へと 乾 千恵
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 十四,五歳の頃の,ある晩のこと。ふと,光を感じて目が覚めた。閉じたまぶたの内側の「視界」が,闇ではなく,ほのかな白い光に包まれているのだ。射るような,朝日のまぶしさとも違う。(何?)と思いながら目を開けると,西の窓から月がのぞいていて,ちょうど寝床の私の顔を照らしているのだった。その頃習ったばかりの漢詩の一節,「牀前,月光を看る」を思い出し,しばし不思議な思いで月に見入った。誰かに不意に声をかけられて捜してみたら,相手は空の上で笑っていた。そんな感じだ。

 それからも,月とは「逢瀬」を重ねている。その時どきに会う月の姿はさまざまだ。白く乾いた昼の月,プラチナ色の光を放つ夕月の妖しさ,空に現れたばかりの赤い月,そして金色の舟さながらに,夜空をゆっくりと渡る月……。

連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・42

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 滞在ビザの都合で毎年恒例の一時帰国をした。さまざまな場所で多くの方の助けを借りてお話をさせていただいた。今回はそのなかで出会った若手の助産師たちから聞き感じたことを書きたいと思う。

理想にとらわれていないか?

 私に話しかけ質問してくれた方の多くが,今の職場の現状にストレスを感じ,疲れ迷っている(?)印象を受けた。目の前の産婦にいいケアができない,病院という狭い枠組みのなかで,自分の理想と違うことがどんどん行なわれていく。自分は促進剤が無くても産めると思うのに,使われてしまう。もう少し待って欲しいのに,切開が入れられる。お母さん自身が母子同室を望まない。挙げればきりが無いほどストレスはあると思う。皆,いいお産をして欲しいと心から望むからジレンマに陥っている。しかし,助産師が考える理想のいいお産,いいケアを固定しすぎてはいないだろうか?

連載 りれー随筆・273

出会いは必然!? 河村 乃理子
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 私の好きな言葉の1つに「一期一会」があります。縁あって出逢った多くの方々との交流を経て,今の私があることをとても感謝しています。家族・友人・助産師仲間・諸先輩方との出会いに感謝をこめて,今の私に至るまでに感じてきたことを綴ってみました。

助産との縁

 私の母は「食」を大切にする人です。今では「食育」といった言葉があるので理解していただけるのではないかと思います。兄の離乳食から始まり,約10年間手作りのものだけを私たちに食べさせてくれた母でした。病弱で動物性タンパク質を分解しにくい体質の赤ちゃんだった私ですが,3歳を過ぎてからは病気知らずの子どもになった,とよく話をしてくれます。専門職の立場になったからこそ,母のしてくれたことに本当に感謝しています。

連載 中医学で考える妊娠・出産の食養生・6

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中医学からみたかゆみのメカニズム

皮膚は内臓の鏡

 妊娠中の皮膚のかゆみは妊娠そのものに影響はなく,出産すれば治るため,ほとんど問題にされることがありません。

 入浴後や就寝時など,体が温まったときに起こりやすく,そうくと刺激でかゆみが強くなるという悪循環が起こります。

連載 メガコードで学ぶ新生児蘇生の基本・6

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新人助産師かずみの新生児蘇生物語…第6幕

 新人助産師のかずみは,先輩助産師の稲葉さん,新生児科医の田中先生の指導のもと,さまざまな蘇生を経験し充実した毎日を送っている。今日は在胎41週の経産婦が陣痛発来のため来院し,かずみは外回りの担当になった。妊娠経過中に合併症もなく,分娩も順調に進行しているように思われた。

「破水しました。胎便による羊水混濁があります」

 直接介助をしていた助産師の言葉にかずみは一気に緊張が高まった。胎便による羊水混濁を認める場合,胎便吸引症候群を引き起こす可能性がある。すぐさま稲葉さんと田中先生に連絡する。

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はじめに

 妊娠中のマイナートラブルは,重大な器質的疾患や合併症がなく,妊娠経過中に自然に軽快することから,医学的にはあまり重要視されてこなかった。しかし,マイナートラブルの1つである冷え症は,血液循環不全や自律神経失調が発症要因とも言われており,四肢末端に冷えがあるだけではなく,体力や気力の低下,腰痛や頭痛などの症状を引き起こすなど日常生活に支障を来たすとともに,マイナートラブルすべてとの関連が強いと思われる。

 冷え症は,先行研究1-3)において,4割以上の一般女性に見られると報告されており,妊婦にも多いと推測されるが,これまで妊婦の冷え症の実態調査は,上原ら4)や後山5)によって行なわれているものの冷え症とマイナートラブルの関連などについての研究は行なわれていない。冷え症の要因,冷え症とマイナートラブルとの関連を明らかにすることは,快適なマタニティライフを過ごすための保健指導に有用である。

 そこで,妊娠中の冷え症の自覚と血液循環状態と,マイナートラブルの有訴率との関連を明らかにし,今後の保健指導に役立てることを目的に検討した。

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はじめに

 10代母親からの出生数は,2005年に16,572人(全出生数の1.6%)と,1996年の15,621人より若干増加し1),貴重な出産の担い手になってきている。しかし,10代妊婦は,初診時期の遅れや妊娠中の自己管理が不十分であるといわれている2)にもかかわらず,それらの特性をふまえた具体的な援助や,その効果については言及されていない3)

 埼玉協同病院における2004年の10代出産件数は15件(総分娩の約2%)であり,月平均で1~3名の妊婦が外来を訪れている。そして,他の年代の妊婦同様,必要に応じた個別的な保健指導を行なっているが,その効果については明らかではない。また,一般的な母親学級の内容は10代妊婦のニーズに合わず,「無理矢理に参加させられている」と感じる者や,待合室に居るだけでも「自分の親くらいの人が多くて居づらい」と,孤立した姿も伝えられている4)

 今回私たちは,10代妊婦3名に対し妊娠後半期から外来で継続的に支援しながら,4回のピア交流を試みた(以下,本活動)。本稿では,これらの実践経過を紹介しつつ,その結果を報告したい。

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 4月21,22日の2日間にわたり,東京の代々木公園を会場の1つとして,地球環境保護を目指すビッグイベント「地球のことを考える日;アースデイ東京2007」が開催されました。私たちは助産師グループとしてこのイベントに参加しましたので,活動の報告をさせていただきます。

若手助産師グループ“蓮HANDS”

 2007年春,東京近隣の勤務1年目~6年目の若手助産師が集まり,グループ“蓮HANDS”を発足しました。

 グループ名の“蓮HANDS”には,「蓮:下で連なる,泥のなかでも美しい花を咲かせる,包み込むような花,早朝に咲く」「手(HANDS):助産師は手が大切,あったかくてここちよくて,診断ができて,お産の介助をして,仲間とつながっていく」という2つのイメージが込められています。

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 本著は10年前の初版から,家族計画指導を人口問題,性意識の変遷,いのちの伝承としての家族計画など,広い概念でとらえ,当時としても斬新な内容であった。

 このたび,10年を経過し,最近のリプロヘルスの動向をふまえた第2版が発行された。10年間の時代の変遷とともに,家族計画指導に求められている内容も大きく変化してきている。今回の改訂により,本著は更にその時代的要請に応えた画期的な内容となっている。

基本情報

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助産雑誌
61巻9号 (2007年9月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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