研究
妊婦の冷え症の自覚とマイナートラブルの有訴率・深部体温との関連
小安 美惠子
1
,
山川 満利子
2
,
仲 かよ
2
,
内野 鴻一
3
,
乾 まゆみ
3
,
小松原 綾
3
,
田中 博
4
,
茂櫛 薫
4
,
野原 八千代
5
1社会保険相模野病院
2バースあおば
3内野産婦人科・外科・小児科・放射線科
4東京医科歯科大学大学院生命情報科学教育部
5聖徳大学短期大学部保育科
pp.781-786
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101078
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はじめに
妊娠中のマイナートラブルは,重大な器質的疾患や合併症がなく,妊娠経過中に自然に軽快することから,医学的にはあまり重要視されてこなかった。しかし,マイナートラブルの1つである冷え症は,血液循環不全や自律神経失調が発症要因とも言われており,四肢末端に冷えがあるだけではなく,体力や気力の低下,腰痛や頭痛などの症状を引き起こすなど日常生活に支障を来たすとともに,マイナートラブルすべてとの関連が強いと思われる。
冷え症は,先行研究1-3)において,4割以上の一般女性に見られると報告されており,妊婦にも多いと推測されるが,これまで妊婦の冷え症の実態調査は,上原ら4)や後山5)によって行なわれているものの冷え症とマイナートラブルの関連などについての研究は行なわれていない。冷え症の要因,冷え症とマイナートラブルとの関連を明らかにすることは,快適なマタニティライフを過ごすための保健指導に有用である。
そこで,妊娠中の冷え症の自覚と血液循環状態と,マイナートラブルの有訴率との関連を明らかにし,今後の保健指導に役立てることを目的に検討した。
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