連載 バルナバクリニック発 ぶつぶつ通信・42
「いい」お産の枠から踏み出そう
冨田 江里子
1
1St. Barnabas Maternity Clinic
pp.802-803
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101083
- 有料閲覧
- 文献概要
滞在ビザの都合で毎年恒例の一時帰国をした。さまざまな場所で多くの方の助けを借りてお話をさせていただいた。今回はそのなかで出会った若手の助産師たちから聞き感じたことを書きたいと思う。
理想にとらわれていないか?
私に話しかけ質問してくれた方の多くが,今の職場の現状にストレスを感じ,疲れ迷っている(?)印象を受けた。目の前の産婦にいいケアができない,病院という狭い枠組みのなかで,自分の理想と違うことがどんどん行なわれていく。自分は促進剤が無くても産めると思うのに,使われてしまう。もう少し待って欲しいのに,切開が入れられる。お母さん自身が母子同室を望まない。挙げればきりが無いほどストレスはあると思う。皆,いいお産をして欲しいと心から望むからジレンマに陥っている。しかし,助産師が考える理想のいいお産,いいケアを固定しすぎてはいないだろうか?
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.