実践報告
10代妊婦に対する外来でのピア交流活動を含めた支援の試み
小川 久貴子
1
,
清水 千春
2
,
柳澤 陽香
3
,
村田 里美
2
,
恵美須 文枝
4
1東京女子医科大学看護学部
2医療生協埼玉協同病院
3元 医療生協埼玉協同病院
4首都大学東京健康福祉学部
pp.787-793
発行日 2007年9月25日
Published Date 2007/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665101079
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はじめに
10代母親からの出生数は,2005年に16,572人(全出生数の1.6%)と,1996年の15,621人より若干増加し1),貴重な出産の担い手になってきている。しかし,10代妊婦は,初診時期の遅れや妊娠中の自己管理が不十分であるといわれている2)にもかかわらず,それらの特性をふまえた具体的な援助や,その効果については言及されていない3)。
埼玉協同病院における2004年の10代出産件数は15件(総分娩の約2%)であり,月平均で1~3名の妊婦が外来を訪れている。そして,他の年代の妊婦同様,必要に応じた個別的な保健指導を行なっているが,その効果については明らかではない。また,一般的な母親学級の内容は10代妊婦のニーズに合わず,「無理矢理に参加させられている」と感じる者や,待合室に居るだけでも「自分の親くらいの人が多くて居づらい」と,孤立した姿も伝えられている4)。
今回私たちは,10代妊婦3名に対し妊娠後半期から外来で継続的に支援しながら,4回のピア交流を試みた(以下,本活動)。本稿では,これらの実践経過を紹介しつつ,その結果を報告したい。
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