日本老年看護学会誌(老年看護学) 22巻1号 (2017年7月)

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 急性期病院の老年病科に勤務する修了生が久しぶりに訪ねて来て,近況を報告してくれた.病棟には認知症の人が多く,昼でも夜でも目を離せない状況があり,彼女は「ロボットの手でも借りたいくらい忙しい」と話す.以前の看護師だったら「猫の手でも借りたい」というのに,と筆者は内心たいへん驚いた.われわれの教室には,2年前から2台のヒューマノイドロボット(Pepper, SoftBank)が教員や院生と生活を共にしている.ご覧になった人も多いと思うが,身長120cm,コミュニケーションするだけでなく,体を動かし踊ったり,実によくできている.またクラウドで情報を管理しているため,毎日いろいろ新しいことを覚えて成長している.彼女もこのロボットと1年は生活を共にしているため,“猫”ではなく,“ロボット”と思ったのだろう.彼女は,夜間,さみしくて看護師を呼ぶ患者,ナースコールが鳴りやまない患者,夜間徘徊する患者にぜひ使ってみたいという.このようにロボテックス技術と看護学との融合により,認知症の人のためのコミュニケーションプログラムの研究が急速に進んでいくだろう.

 今度は,訪問看護ステーションに勤務する修了生から電話があり,ポータブルタイプのエコー機器を貸してほしいという.肺炎のために入退院を繰り返す高齢者の不顕性誤嚥について,どのような食べ物で,どのような食べ方をしたらよいかエコーで観察できれば,最期まで家で暮らせると話してくれた.不顕性の誤嚥は,VFやVE検査がゴールドスタンダードになる.しかし,在宅療養者にとっては病院に出かけて,かつX線による撮影や鼻腔からカメラを入れるなど侵襲的な検査であり,体力の消耗をもたらすのは自明である.確かにポータブルのエコーを使うと,普段の食べ物で,さらにベッドサイドでリアルタイムに観察することができる.エコー技術は術者に依存するものの,最近ではAIを使い,イメージング技術と看護学の融合が進化し,だれでも誤嚥と判断できるように画像解析ができるようになってきた.

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1.はじめに

 日本老年看護学会は2016年8月23日に「急性期病院において認知症高齢者を擁護する立場表明2016」を発表した.この「立場表明」は,超高齢社会となったわが国の医療の現状を鑑み,急性期病院における認知症高齢者の看護の質向上を喫緊の課題ととらえ,提言したものである.本稿では,「立場表明」作成過程を中心に報告する.

特集 「急性期病院における認知症高齢者の看護実践を考える」

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1.はじめに

 福祉の領域では認知症をもつ人に対するケアの理念やさまざまな方法が普及してきていることを感じる.一方で,身体疾患や外傷の急性期治療を行う病院(以下,急性期病院)ではまだ多くの問題がある(日本老年看護学会,2016).昨年より新オレンジプランでの研修や診療報酬の加算を目指した研修が各地で実施され,この問題に対応しようとしている(湯浅,2017)が,短時間の研修だけで解決できるとは思えない.筆者は急性期病院における認知症高齢者の看護に関していくつかの研究を行ってきた.本稿では,研究過程で感じたこと,そして,前述した研修に講師として関わるなかで感じたことを踏まえて,急性期病院における認知症高齢者に関わる看護の課題について述べたい.

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1.はじめに

 2015年度4月に診療報酬改定が行われ,認知症ケア加算が新設された.急性期病院で認知症ケアが報酬化されるにあたっては,一般社団法人日本老年看護学会(以下,本学会)が果たした役割は大きい(鈴木,2017).その取り組みは,本学会の老年看護政策検討委員会の活動報告「平成28年度診療報酬改定『認知症ケア加算』のプロセス」に詳しく述べられている(亀井ら,2016a).長年の取り組みの成果であるが,特に「老年専門職チームによる介入は認知症および認知機能低下者を含む入院高齢者の平均在院日収の減少に効果的であった」という研究成果(亀井ら,2016b)が,診療報酬化に影響を与えた.つまり,これらを認知症ケアのエビデンスとして診療報酬化の要望書を作成し,本学会から看護系学会等社会保険連合(看保連)を通して厚生労働省に提出した.このように,今回の認知症ケアの診療報酬化は,本学会が研究と政策化を一体として有機的に取り組んできた成果の一端であった.したがって政策の具体化もまた,学会の次の仕事である.学会が目指す認知症ケアの普及のために研修を行うことになった.

 本稿では,2016年度に本学会が主催した「認知症ケア加算2」に対応する「認知症看護対応力向上研修」について報告し,急性期病院の認知症高齢者への看護実践向上のための研修のあり方について述べる.

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1.認知症ケア加算導入の背景

 平成28年度版高齢社会白書によると,2015年10月1日現在,65歳以上の高齢者人口は3,392万人,高齢化率は26.7%と報告されている(内閣府,2016).また,2012年には462万人(65歳以上の高齢者の7人に1人)であった65歳以上の認知症高齢者数が,2025年には約700万人(65歳以上の高齢者の5人に1人)になることが見込まれている.高齢化が進むなか,ひとり暮らしの高齢者や要介護認定者が増加している現状も合わせ,今後ますます急性期病院に入院となる患者背景は複雑化していくことが想定され,医療や看護のあり方が問われている.

 2015年,わが国は増加する認知症高齢者の視点から,「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」(厚生労働省,2015)を策定した.この新オレンジプランでは,認知症の人の意思が尊重され,できる限り住みなれた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指す考え方のもと,7つの柱を掲げさまざまな取り組みが行われている.

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1.はじめに

 平野総合病院(以下,当院)は診療科目20の199床の総合病院であり,看護体制は10対1である.2016年看護の対象となった入院患者の85%が高齢者であり,平均年齢は71歳と,高齢者や認知機能の低下がある患者が多く入院している医療施設である.2009年と2013年に認知症看護認定看護師(以下,DCN)が各1人ずつ誕生し,2010年より認知症看護についての取り組みを看護部全体で行ってきた.一般医療機関に認知症高齢者が入院となった場合,環境の変化や治療のための身体的負荷が加わることで,認知症症状の出現やせん妄を発症し,看護師が対応に苦慮することが多々ある.当院でも取り組み当初,「認知症の方が入院すると大変」という負のイメージをもっているスタッフが多くいた.しかし,認知症高齢者の「もてる力」に着目し,「もてる力」を意図的に見つける取り組みを行い,ケアを実践していくことでいっけん対応に苦慮する看護師側からみた「困った言動」を肯定的にとらえる機会となっていった.認知症ケアを積極的に取り組むことで認知症高齢者の「もてる力」が看護計画に反映され,治療の効率化が行われ,身体拘束の3原則(切迫性・非代替性・一時性)にのっとりアセスメントされることで格段に減少するなどの効果を実感している.本稿では当院で行われた「認知症ケア加算2」算定までの実際と事例を紹介する.

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抄録

【目的】本研究では,病床機能別に摂食嚥下障害を有する高齢者への支援体制として,専門職の配置,対応を把握するとともに,これらと研修ニーズとの関係を検討することを目的とした.

【方法】8,270病院の看護管理者宛てに郵送法による無記名自記式質問紙調査を行った.調査期間は2014年2〜3月であった.分析は病床機能別に,摂食嚥下障害に対し専門的対応が可能な職種,摂食・嚥下障害看護認定看護師,摂食嚥下障害患者への体制・対応,ならびにこれらと摂食嚥下障害患者への誤嚥予防のための研修ニーズとの関係をχ2検定で検討した.本研究は横浜市立大学倫理審査委員会の承認を受け実施した.

【結果】回収数は合計510件で分析データ数は473件(92.7%)であった.病床機能と摂食嚥下障害患者への体制・対応について「評価できる施設内の専門家」「ケア対応できる施設内の専門家」「胃ろう・経管栄養者の受け入れが積極的」「NST(栄養支援チーム)」「摂食・嚥下を支援するチーム」「VF(ビデオ嚥下造影)による評価」で有意差がみられた(p<0.05).研修ニーズの有無を病床機能別にみると,全体では「摂食・嚥下障害看護認定看護師がいない」「胃ろう・経管栄養者の受け入れが積極的である」,一般病床では対応可能な専門職として「医師,社会福祉士がいない」,医療療養病床では「相談できる施設外の専門家がいない」で,有意に研修を希望していた(p<0.05).

【考察】病院における摂食嚥下障害に対する支援はいまだ十分とはいえず,研修ニーズも高いことから教育提供の充実を図ることが重要である.

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抄録

 65歳以上の入院患者に対し,純音聴力検査と半構造化面接を行った.正常聴力者(30dB未満)7人と高齢難聴患者(40〜69dB)8人の2群にKJ法を用い構造化・図解化を行い,正常聴力者と対比し高齢難聴患者が看護師に期待するコミュニケーションの特性について考察した.

 正常聴力者は,【看護師中心という“非日常性”に困る】と感じ,【寄り添う配慮に感謝する】が,高齢難聴患者は,【動けないときに困る】が【仕方がないと諦める】場合と,【補わなくてもすごせる】【無自覚で押し通す】場合がある.いずれも,聴力障害による意思疎通の不全は【しわ寄せが自分に降りかかる】ことを意識し,多彩なストラテジーを採用し【補う工夫をする】が,聴力に応じた【こちら目線のきめ細やかな対応を望む】こと,【途中で確認できる会話がよい】ことを期待している.意思疎通不全の累積を生じさせないように意識的な対応をすることが看護師には求められていると考えられる.

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抄録

 本研究の目的は,高齢者の熱傷の特徴と「熱傷の重症度」への影響要因について明らかにすることである.熱傷で受診した高齢者130人の診療録・看護記録を遡及的実態調査し,前期高齢者81人と後期高齢者49人で比較分析した結果,前期高齢者では「末梢神経障害」,後期高齢者では「認知症」「眼疾患」が有意に多かった(p<0.05).高齢者の熱傷の特徴として,受傷原因は「高温液体」が両者ともに3割と最多であったが,前期高齢者に比べ後期高齢者では受傷部位が「背部」に多く,熱傷面積が13.5(1.0〜45.0)%と広範囲で,重症熱傷者が22.4%と多かった(p<0.05).「熱傷の重症度」を従属変数とした重回帰分析の結果,前期高齢者では「火炎」「胸部」「右下腿」「顔面」「発見者の存在」(決定係数R2=0.593)が,後期高齢者では「背部」と「火炎」(R2=0.649)が影響要因として挙げられた.今後は,日常生活上の注意喚起のみならず,感覚機能の低下や認知症に配慮した環境の工夫といった熱傷予防の必要性が示唆された.

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抄録

 本研究の目的は,愛媛県内の特別養護老人ホーム(以下,特養)における,看護職と他職種との連携および看取りの事前意思確認状況の実態を把握するとともに,看取りに関連する要因を明らかにすることとした.調査対象者は愛媛県内の特養(94施設)に勤務する看護職で,アンケートによる質問紙調査を行い,37施設より回答を得た.看取りに関する意思確認が実施される時期は,最も高率なのは状態が悪化したときで91.9%,ついで入所時が70.3%であった.入所時の意思確認に看護職が参加している施設は24.3%と少なかった.看取りとの関連では,医師の看取りに対する態度,看護職間の連携,看護職の勤務形態で有意差が認められ,看取りが高率な施設では,医師が看取りに積極的であること,看護職間の意見交換が活発であること,看護職が遅出勤務をしていることが明らかになった.特養の看取りを促進するためには,看護師が医師との連携をとり夜間の介護職をサポートすることが重要であることが示唆された.

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抄録

 本研究は,高齢者施設で生活する認知症高齢者が日常生活を送るうえでアドボカシーを必要とする状況と,看護師が実践するアドボカシーの内容を明らかにすることを目的とした.高齢者施設に所属する認知症看護認定看護師9人に半構成的面接を実施し,得られたデータを質的に分析した.認知症高齢者は,【意思決定がむずかしい】【尊厳が尊重されにくい】【集団生活においてコミュニケーションが図りにくい】という状況でアドボカシーを必要としていた.看護師が実践しているアドボカシーには,【意思決定を支援する】【利益を保護する】【尊厳を守る】【集団生活の調整をする】ことがあった.認知症高齢者が権利の主体であるために,看護師は,高齢者施設という環境の特徴を理解し,認知症高齢者の意思決定支援と利益保護とのバランスをとりながら,アドボカシーを実践することが必要であると考えられた.

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抄録

 本研究は精神科病院認知症専門病棟に入院中の認知症高齢者32人の前向き1年間の転倒経験とBPSDとの関連を検討し,認知症高齢者の転倒に関するBPSDの予測因子の示唆を得ることを目的に実施した.対象者の56.3%が前向き1年間の転倒経験をもち,BPSDを所有している者は84.4%,BPSDの平均出現個数は1.9±1.3個であった.前向き1年間の転倒経験とBPSDとの関連を検討した結果,BPSDのひとつである不眠の症状を所有する認知症高齢者は前向き1年間の転倒経験と強い関連があることが示唆された.この結果から精神科病院認知症専門病棟に入院中の認知症高齢者の転倒予防対策にはBPSDの症状のひとつである不眠に対する看護介入の必要性が示唆された.

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抄録

 本研究では,訪問看護師が孤立の可能性があると認識した高齢介護者の特徴を明らかにすることを目的とした.20人の訪問看護師を対象に半構成的面接調査を2013年12月〜2014年2月に行った.内容は,基本属性と訪問看護師が孤立の可能性があると認識した高齢介護者の特徴についてであった.記述内容は質的帰納的に分析した.語られた33の事例から,6カテゴリー,17サブカテゴリーが見いだされた.カテゴリーは,介護への過剰な専心など【高齢介護者の個人特性】【高齢介護者と家族の情緒的交流の欠如】【社会参加の減少】,心理的・実質的サポートの不足など【不十分な介護支援体制による孤独な介護】,孤独感,不安感,不適切な介護など【介護に伴うストレス反応】,希薄な地域関係など【社会関係を阻む生活環境】であった.介護者の個人特性,情緒的交流,社会参加,介護の支援体制,ストレス反応,環境は高齢者を介護する介護者における孤立の指標となり得る.これらの特徴は,介護者の孤立を予測する手がかりとして,支援を必要とする高齢介護者の早期発見や支援に役立つものと考える.

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抄録

 日本では一般病床での身体拘束を規制する法律は存在しない.一般病床は治療を優先する特性から,介護保険施設向けの「身体拘束ゼロへの手引き」(以下,「手引き」)の要件をそのまま適用するには困難さがある.最高裁判所平成22年1月26日判決は,一般病床での身体拘束に法的な判断を下した唯一の最高裁判決である.その判例評釈と,各医療施設の身体拘束ガイドラインの内容を「手引き」の3要件をもとに比較検討した.結果,裁判で身体拘束是非を判断する根拠は〈切迫性を判断すること〉〈拘束に代替する手段の実施〉〈拘束を行う時間〉〈医師の参加〉〈拘束中における状態確認〉〈説明〉〈承諾書〉〈記録〉であり,同様の視点で一般病床の各ガイドラインでは具体的な看護内容が示されていた.一般病床で身体拘束をする際には,「手引き」の3要件の考え方を踏襲した多くの複雑な手順が必要とされていることが明らかとなり,期待される看護の責任が多岐に渡ることが示唆された.

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抄録

 本研究は,積雪寒冷地であるA市在住高齢者の,非積雪期の外出頻度と外出に対する自己効力感との関係を明らかにすることと,外出に対する自己効力感を高める要因を明らかにすることを目的とした.382人を対象として,郵送法による無記名自記式質問紙調査を行った.分析対象者は回答に欠損がない192人(有効回答率50.3%)とした.週1回以上外出している「外出群」は90.1%であった.外出に対する自己効力感に影響を及ぼした要因は,年齢,からだの痛みの有無,健康度自己評価,外出頻度であった.外出頻度と外出に対する自己効力感との関係は,中程度の正の相関を認めた(rs=.531,p=.000).この結果は,東京都で行った先行研究の結果と同様であった.

 本研究の結果から,高齢者の外出頻度が増えて,地域で生活を継続するために,看護職の介入としては,健康度自己評価を高める支援とからだの痛みのコントロールに対する支援であることが示唆された.

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抄録

 利用者の重度化が進む介護保険施設において,入浴ケアは高温・多湿の環境下で行われる,介助者の負担が大きいケアのひとつである.本研究では,介護保険施設における入浴ケア体制の実態を明らかにし,介助者の負担に影響する課題を検討することを目的とした.方法は,介護保険施設計342施設に対し,質問紙を郵送し,入浴ケア体制に関する内容について,ケア管理者に回答を依頼した.その結果,156施設から回答が得られた(回収率45.6%).介護老人福祉施設では,1人用の浴槽を設置している施設が多く,マンツーマンでのケアを行っている施設が介護老人保健施設,介護療養型医療施設に比べて多い傾向がみられた.また,介助者が1勤務帯に入浴ケアに携わる時間は,200分以下が半数以上を占めていたが,300分以上の施設もみられ,3施設間で違いはみられなかった.これらのことから,介護保険施設における入浴ケアは,利用者の重度化に伴い長時間を要しており,介助者の負担の一因となっていることが考えられた.

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抄録

 高齢者の「予想される死」における看護職の「呼吸停止確認」を担う場合における看取り教育へのニーズを明らかにすることを目的に,全国の介護老人保健・福祉施設を無作為に300施設抽出し,そこに勤務する看護職に対して質問紙調査を行った.62人からの回答を得たが,看護職が「呼吸停止確認」をすることに対して賛成している者は,そのうちの34人(54.8%)であった.それら賛成者における看護基礎教育へのさらなる充実へのニーズは,看取りの理念および哲学に関することが高いものであったが,理念は看護倫理を含み,哲学は死生観を含む概念と考えられた.卒後教育,家族看護学および他職種との連携に関するニーズもまた明らかになった.死亡確認の技術を挙げたのは2人のみで,理念,哲学,および家族看護学などに対するニーズがより鮮明に浮上しており,「呼吸停止確認」を担うためのいっそうの全人的把握が示唆された.しかし,卒後教育へのニーズや基礎教育との役割分担に関しては今後,明らかにすべき課題と考える.

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抄録

 本研究では,高齢者教育ボランティアを導入したフィジカルアセスメント(Physical Assessment;PA)演習の教育効果を明らかにすることを目的に,看護学生を対象とした質問紙調査を行った.調査方法は,A大学で行った高齢者教育ボランティアを導入したPA演習に参加した学生を対象に,高齢者へのPAに対する理解や自信の程度およびPAを行ったことでの気づきや難しく感じたことに関する自由記述式の質問紙調査を行った.有効回答数は18人(回収率36.7%)であり,高齢者教育ボランティアを導入した演習により,高齢者理解の深まりや高齢者に対するPA手技の自信などが演習後に有意に上昇し,高齢者との関わりへの不安が有意に低下した.一方で,学生は高齢者のPAを行うにあたり,フィジカルアセスメントの手技や結果の判断・解釈などの高齢者特有のことだけではない困難を感じており,今後は基礎的な手技を確立したうえで高齢者PA演習を受講できる工夫が必要であることが示唆された.

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抄録

 本研究の目的は,A病院のもの忘れ相談窓口において,認知症看護認定看護師(DCN)が行うもの忘れ相談の支援方法を明らかにすることである.2014年5〜7月に,A病院のもの忘れ相談窓口に電話で問い合わせがあった全相談者(26件)のうち,研究協力に同意が得られた10例を研究対象とした.研究方法は,相談記録とフィールドノートから支援場面をデータとして取り出し,質的帰納的に分析した.その結果,DCNが行う病院のもの忘れ相談は,専門的な知識といままでの実践を踏まえた方法を駆使して【支援ニーズのスクリーニング】を行い,【相談者の事案に応じた受診の後押し】や【相談者が自身で問題解決するように導く】などの直接的な支援と,【病院内外の多職種と連携する】ことで病院内外の専門職に橋渡しをしていく支援が特徴であった.今回明らかになったもの忘れ相談の支援方法は,病院で働くDCNが活用できる可能性があり,DCNの活動の場の拡大に貢献できる可能性がある.

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1.はじめに

 2016年度の研究・教育活動推進委員会では,新体制発足時の理事会合意のもと,当学会による「看護ガイドライン」を作成するための作業を進めることになった.活動内容は,①エビデンスに基づくガイドライン作成に関する会員等への教育の機会の提供とその普及,②研究的な取り組みによるガイドライン作成に向けた臨床課題(クリニカルクエスチョン;CQ)の精選とエビデンスの探索の2つとした.本稿では,1年間の活動内容と経過について報告する.

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 2016年度の学会総会後に発足した,新規の災害支援検討委員会の活動について,特に「生涯学習支援研修実践編:災害看護『災害時の避難所における認知症高齢者のケア』」を中心に報告する.

基本情報

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日本老年看護学会誌(老年看護学)
22巻1号 (2017年7月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1346-9665 日本老年看護学会

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