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特集 多様化する高齢者の看取りの場と看護の現状・展望
看護小規模多機能型居宅介護を利用する独居高齢者のエンドオブライフ期の支援とこれからを考える
Nursing Small-scale Multifunctional Home Care Support for Elderly People Living Alone in the End-of-Life Period and Thinking about the Future
佐藤 文美
1
Ayami Sato
1
1群馬大学大学院保健学研究科
1Gunma University Graduate School of Health Sciences
pp.5-10
発行日 2025年7月31日
Published Date 2025/7/31
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Ⅰ.はじめに
平成30年の診療報酬改定の際,「ターミナルケアに関する報酬において『人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン』等を踏まえた対応を要件とするとともに,評価を充実」(厚生労働省,2018)が掲げられた.以降,令和3年の介護保険報酬改定においても看取りに関する加算の見直しや新設がなされ,令和6年の改定でも,「看取りへの対応強化」(厚生労働省,2024)という言葉とともに,介護事業所のなかでの看取りが強く勧められ,取り組むべきケアとして定着してきている.また,アドバンスケアプランニング(advance care planning;ACP)の概念についても,同時期から訪問看護師やケアマネジャー向けの研修を中心に広がり,その実践が日々取り組まれている.
そのなかで,看護小規模多機能型居宅介護(以下,看多機)は,在宅での暮らしを支える介護サービスのなかでは看護職が多く所属し,医療依存度が高くても認知症の人でも自宅で暮らしたいと考える利用者の最期のときまでを支えるサービスとして広まりつつある.今回は,看多機において独居高齢者を支援し,看取りケアを行った事例をとおして,暮らしのなかの看取りケアの実際と,今後の時代の変化に伴い生じるであろう課題等について考える.
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