社会保険旬報 25巻2983号 (2025年12月発行)

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目次／視点

どこまで踏み込む報酬改定になるか 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.3

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社会保険旬報の今号の「目次」と、時事の話題に対して意見・解説する「視点」です。

座標

国会　医療法改正案衆院審議入り／診療報酬　日医の松本会長次期改定へ戦略／経済対策　医療・介護等支援パッケージを緊急措置するとともに処遇改善／がん　2012-15年の５年生存率多くの部位で生存率向上 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.4-5

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厚生労働行政の動向を中心とする最新の情報約４点をシンプルに、コンパクトにお伝えする「座標」です。

論評

看護師不足の本質的原因と対応策島崎　謙治 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.6-13

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はじめに― 本稿の目的　介護の人材不足に比べ看護師不足はそれほど真剣に論じられてこなかったきらいがある。また、看護師不足は今に始まったことではなく、昔からあった問題だという識者もいる。図表１は看護職の有効求人倍率の推移である。たしかに、この７年半の期間だけとってみても、看護職の有効求人倍率は高止まりしており、大きな変化はないように見える。しかし、現場の感覚はこれとは異なる。この数年の間に看護師不足は急速に深刻の度を増したというのが病院関係者の実感である。実際、看護師が充足できず病棟閉鎖に追い込まれた例は枚挙に暇がない。局面は明らかに変わったのである。これはコロナ禍の影響といった一過性の理由によるものではない。

健康経営に取り組むことに「何一つデメリットはない」稲田　耕平 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.14-22

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　大企業を中心に、人的資本経営の要素の一つでもある「健康経営」に取り組む企業が増加している。一方、小規模企業を含む中小企業においては、健康経営がそれほど浸透していない実態もある。中小企業庁の公表データによると、国内における中小企業の割合は、全企業数の約99・７％といわれている。この多数を占める中小企業が健康経営に取り組み、社内の活性化を図らなければ、日本の将来の展望を開くことができないと考える。従って中小企業の経営者には、積極的に健康経営に取り組むメリット等を理解し推進することを要望する。　以下、健康経営の定義、社会的背景、取り組むメリット、本誌に関係の深い医師の働き方改革と健康経営の関係性について解説する。

霞が関と現場の間で(70)

高市首相の社会保障国民会議中村　秀一 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.23

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所信表明演説で　高市首相は就任後初の所信表明演説で、「社会保障制度における給付と負担のあり方について、国民的議論が必要」であり「超党派かつ有識者も交えた国民会議を設置」すると述べた。そこでは「給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について議論」するとし、野党にも参加を呼び掛けている。

潮流

回リハ病棟入院料で一定の見直しの方向中医協総会がリハビリテーションを議論 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.24-25

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　令和８年度診療報酬改定で回復期リハビリテーション病棟の施設基準について一定の見直しを図るとの方向性が明確になった。11月14日の中医協総会（小塩隆士会長）で、診療側と支払側が一致した。　リハビリテーションの効果を測定するＦＩＭ（機能的自立度評価表）の実績指数において、80歳以上等を対象患者から除外する規定を見直す。回リハ病棟において、生活機能回復に資する診療報酬を要件化する入院料を設けることを検討する。休日のリハビリテーションが増える方向での基準見直しを行う。入院料において地域リハビリテーション活動を推奨することを要件とする入院料を拡大する。

「へき地尺度が特に高い区域」を提案医師少数区域の分類追加で厚労省 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.26-27

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　厚労省は11月14日に開いた「地域医療構想及び医療計画に関する検討会」（遠藤久夫座長）で、令和９年度からの次期医師確保計画における「医師少数区域」などの設定に際し、現行の医師偏在指標のみではなく、新たに設ける「へき地尺度（ＲＩＪ＝Rurality Index for Japan）」との組み合わせによる「ＲＩＪが特に高い区域」の追加を提案した。地理的要素を一定程度反映した医師少数区域を設定する狙いがある。

金融所得の勘案を議論社保審・医療保険部会 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.28-29

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　社会保障審議会の医療保険部会（田辺国昭部会長）は11月13日、医療保険制度改革に向けて「医療保険における金融所得の勘案」と「高齢者医療における負担のあり方」について議論した。金融所得の勘案方法について厚労省は、後期高齢者医療制度や国保制度での税制の法定調書の活用を提案し、意見を求めた。　金融所得の勘案は、10月の自民党と日本維新の会の連立政権合意書では、「金融所得の反映などの応能負担の徹底など医療制度改革の具体的な制度設計を令和７年度中に実現する」と明記した。

生成ＡＩ等の活用による生産性向上効果医師事務作業補助体制加算に結びつける 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.30

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　生成ＡＩ等の活用による生産性向上の効果を医師事務作業補助体制加算の評価に結びつける方針で11月19日の中医協総会（小塩隆士会長）の意見が一致した。厚労省は令和８年度診療報酬改定に向けて、具体策を提示する見込みだ。　医師事務作業補助体制加算について厚労省は、「医師事務作業補助において、生成ＡＩを活用した文書作成補助システム等が、作業効率の向上や労働時間の削減効果を示していることを踏まえ、生成ＡＩ等のＩＣＴを活用して医師事務業務の省力化の取組みを進めるにあたり、その評価についてどのように考えるか」を論点とした。

公費投入の確保など12項目の決議採択７年度国保制度改善強化全国大会開く 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.31

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国保中央会や地方６団体など国保関係９団体は11月14日、都内で令和７年度国保制度改善強化全国大会を開いた。国保の財政基盤強化のための公費投入や医療提供体制の確保など12項目の決議を全会一致で採択。終了後、政府や国会に要請活動を展開した。　主催者挨拶で国保中央会の大西秀人会長（高松市長）は、人口減少や被用者保険の適用拡大などの影響によって10年間で被保険者が約１千万人も減少していることをあげ、「高齢化の進展や医療費水準の上昇といった構造的問題に加え、昨今の物価上昇の影響を受け、将来にわたる国保制度の安定と国民皆保険制度の維持は極めて危機的な状況にある」と述べた。

診療報酬の大幅なプラス改定を決議国民医療推進協議会が総決起大会 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.32

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　医療・介護関係43団体で構成する国民医療推進協議会（会長＝松本吉郎・日本医師会会長）は11月20日、東京・駒込の日本医師会館で、「国民医療を守るための総決起大会」を開いた。医療機関や介護事業所などの厳しい経営状況を踏まえ、令和７年度補正予算での対応や令和８年度予算編成における令和８年度診療報酬の大幅なプラス改定を求める決議を採択した。

中部医師会連合が名古屋市で委員総会診療報酬改定へ日医執行部を支える 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.33

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　中部医師会連合（委員長＝柵木充明愛知県医師会会長）は11月15日、愛知県名古屋市で令和７年度中部医師会連合委員総会を開催した。柵木委員長は、次期診療報酬改定に向けて活動している日本医師会執行部を支えていく考えを表明した。　冒頭挨拶で柵木委員長は医療機関の厳しい経営状況に対し、令和７年度補正予算と令和８年度診療報酬改定での対応を求めた。

介護13団体が賃上げ実施の緊急調査格差是正へ補正予算や期中改定要望 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.34

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　全国老人保健施設協会など介護関係13団体は11月12日、「緊急！『骨太方針２０２５記載』介護現場の幅広い職種の賃上げ実現のための賃上げ実施調査」の結果を発表した。介護業界と全産業との賃上げの差がさらに拡大していることが判明。他産業との格差是正に向けて、令和７年度補正予算での対応や令和８年度介護報酬の期中改定を求めた。

米国最恵国待遇が薬価制度に影響新薬の薬価は米国と同一価格に 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.35

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　米国のトランプ大統領による最恵国待遇（ＭＦＮ）薬価の導入が、日本の薬価制度にも影響を及ぼす可能性が出てきた。11月19日に都内で開催された米国研究製薬工業協会（ＰｈＲＭＡ）の記者会見で、アルバート・ブーラ会長が特許期間中新薬の価格を維持するとともに、今後の新薬は米国と同一価格に設定すべきなどと主張。薬剤費の上昇と医療保険財政の圧迫が懸念されている。

News

リハ栄養口腔体制加算歯科衛生改善で見直し　中医協／特定機能病院入院料機能に応じて細分化　中医協 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.36

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医療提供に関する政府の審議会・検討会や業界団体の動向などの最新情報をお伝えする「News」コーナーです。

療養の給付

療養の給付の取扱いについて 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.37-39

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　「使用薬剤の薬価（薬価基準）及び特掲診療料の施設基準等の一部を改正する告示」（令和７年10月21日・厚生労働省告示第283号），「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を改正する件」（令和７年10月21日・厚生労働省告示第284号），「使用薬剤の薬価（薬価基準）の一部改正等について」（厚生労働省保険局医療課長通知，令和７年10月21日・保医発1021第９号），「医薬品，医療機器等の品質，有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備に関する省令」（令和７年10月22日・厚生労働省令第103号），「医薬品，医療機器等の品質，有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係告示の整備に関する告示」（令和７年10月22日・厚生労働省告示第286号），「検査料の点数の取扱いについて」（厚生労働省保険局医療課長・同歯科医療管理官通知，令和７年10月31日・保医発1031第２号），「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等の一部を改正する件」（令和７年11月11日・厚生労働省告示第299号），「｢診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について｣等の一部改正について」（厚生労働省保険局医療課長・同歯科医療管理官通知，令和７年11月11日・保医発1111第１号）を整理し，当研究所発行の『医科点数表の解釈（令和６年６月版）』の該当項目を示した。

年金の動き

年金機構HPに「わたしと年金」のアニメーション動画掲載／令和７年８月末国民年金保険料の最終的な納付率は84.5％／厚労省が11月30日の「年金の日」、11月の「ねんきん月間」を広報／厚生年金保険・国民年金事業の概況（令和７年６月現在）を公表／離婚時年金分割の請求期限５年伸長施行期日は令和８年４月１日に／国基連が2025年度第２四半期の運用実績（速報）を公表／社保審資金運用部会がGPIFの業務方法書の変更を審議 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.40-41

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年金制度や労働行政等のニュースをお伝えする「年金の動き」です。

編集室／ワードカプセル

編集室／ワードカプセル：リハ・栄養・口腔連携体制加算 25巻2983号 , 2025年12月 , pp.42

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取材中のこぼれ話など編集者の余談を綴った「編集室」と、一つの言葉をピックアップして解説する「ワードカプセル」です。

基本情報

社会保険旬報
25巻2983号
(2025年12月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：1343-5728 社会保険研究所

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