論評
看護師不足の本質的原因と対応策
島崎 謙治
1
1国際医療福祉大学大学院教授
pp.6-13
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.57527/JUNPO2983003
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はじめに― 本稿の目的 介護の人材不足に比べ看護師不足はそれほど真剣に論じられてこなかったきらいがある。また、看護師不足は今に始まったことではなく、昔からあった問題だという識者もいる。図表1は看護職の有効求人倍率の推移である。たしかに、この7年半の期間だけとってみても、看護職の有効求人倍率は高止まりしており、大きな変化はないように見える。しかし、現場の感覚はこれとは異なる。この数年の間に看護師不足は急速に深刻の度を増したというのが病院関係者の実感である。実際、看護師が充足できず病棟閉鎖に追い込まれた例は枚挙に暇がない。局面は明らかに変わったのである。これはコロナ禍の影響といった一過性の理由によるものではない。

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