社会保険旬報 25巻2982号 (2025年11月発行)

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目次／視点

医療・介護は大規模化を進めるしかないのでは 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.3

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社会保険旬報の今号の「目次」と、時事の話題に対して意見・解説する「視点」です。

座標

厚労相　保険料算定に金融所得反映／日病　5年度要望は５項目を提出／在宅医療　積極的な役割担う医療機関は1万1309施設とWGに報告／診療報酬　療養・就労両立支援指導料の見直し対象疾患の追加求める意見が相次ぐ 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.4-5

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厚生労働行政の動向を中心とする最新の情報約４点をシンプルに、コンパクトにお伝えする「座標」です。

レコーダ　医療経済フォーラム・ジャパン主催第23回公開シンポジウム（下）

医療保険の持続可能性吉野　維一郎 , 佐野　雅宏 , 矢田貝　泰之 , 城守　国斗 , 藤原　尚也 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.6-18

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　医療経済フォーラム・ジャパン（会長＝中村洋・慶應義塾大学大学院教授）は10月２日、都内で第23回公開シンポジウムを開催した。メインテーマは「医療保険の持続可能性」。前号（11月11日号）では遠藤久夫・学習院大学長の基調講演を紹介した。今号では、その後に行われた５人の演者による講演を紹介する。　吉野氏は、令和８年度予算編成を含めた近年の社会保障関係費の歳出水準や今後の社会保障改革の考え方を説明した。佐野氏は、健保連の提言を紹介。負担構造改革、医療費の適正化、医療保険制度に関する国民の理解の促進を訴えた。矢田貝氏は、医療保険制度改革に向けた基本的な姿勢を示すとともに、改革に当たっての国民の納得感の重要性を強調した。城守氏は、給付と負担の問題を考える上で、平等な医療を受けられる社会を国民の多くが望んでいることを示した。藤原氏は、薬価政策におけるトリレンマを説明した上で、日薬連が要望する薬価改定の仕組みのあり方を説明した。

全世代型社会保障への道筋⓴

税・社会保障改革―国民会議の提案山﨑　泰彦 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.19

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　「社会保障制度における給付と負担の在り方について、国民的な議論が必要です。超党派かつ有識者も交えた国民会議を設置し、給付付き税額控除の制度設計を含めた税と社会保障の一体改革について議論してまいります」　高市首相の所信表明演説における税・社会保障改革に関する超党派の国民会議設置の提案である。先行例を踏まえ、合意形成に資する会議体を設置し、着実な成果に結びつけてほしい。

潮流

「急性期拠点機能」が担う役割の例で「災害拠点病院」などを厚労省が提示 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.20-21

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　厚労省は10月31日に開いた「地域医療構想及び医療計画に関する検討会」（遠藤久夫座長）で、２０４０年を見据えて策定する「新たな地域医療構想」において定める「医療機関機能」のうち、「急性期拠点機能」について「担うことが考えられる役割の例」として、▽災害拠点病院（基幹災害拠点病院、地域災害拠点病院）▽医療措置協定の締結▽臨床研修及び専門研修の実施▽地域における必要な病床の確保のための積極的な役割▽地域への医師の派遣―の５つを示した

地メディの施設基準の緩和で一部合意中医協総会が包括期の入院医療を議論 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.22-23

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地メディの施設基準の緩和で一部合意中医協総会が包括期の入院医療を議論　中医協総会（小塩隆士会長）は11月５日、令和８年度診療報酬改定に向けて、入院（その４）として包括期入院医療を議論。令和６年度改定で新設した地域包括医療病棟（地メディ）の施設基準の一部緩和で診療側と支払側が合意した。地メディは急性期一般入院料１の移行先として有力であり、高齢者救急が増大する状況の中で、包括期の入院医療の中心を担う病棟として期待されている。診療側は地メディの施設基準の要件緩和を主張してきた。今回、支払側からも要件緩和を一部容認し、施設基準見直しの可能性が高まった。

がん対策・難病対策・透析医療・緩和ケア中医協委員が厚労省の論点に概ね賛同 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.24-25

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　中医協総会（小塩隆士会長）は11月５日、令和８年度診療報酬改定に向けて、個別事項（その５）としてがん対策・難病対策・透析医療・緩和ケアを議論。現状の課題に対する厚労省が示した論点に対し概ね診療側・支払側は賛意を示した。ただ、人口腎臓の算定回数が極めて多い医療機関の評価に対する適正化にでは、支払側が賛成したものの、診療側から評価のあり方そのものに反対意見が出た。

医療事故調等検討会が報告書をまとめる医療安全管理者の法的な位置づけ求める 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.26-27

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　厚労省の医療事故調査制度等の医療安全に係る検討会（山本和彦座長）は10月29日、医療機関の医療安全対策と医療事故調査制度の課題と対応策に関する報告書を大筋でまとめた。医療機関の医療安全管理委員会が把握する重大事象を明確化し、医療安全管理者を医療法の制度上に位置づける。医療事故調査制度の関連では、医療事故の該当性を判断するプロセスを医療安全管理指針に明記するとともに、記録保存を必須とする。また、医療事故の判断に携わる者には研修を求める。

長期収載品の患者負担引上げを議論社保審・医療保険部会 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.28-29

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　社会保障審議会の医療保険部会（田辺国昭部会長）は11月６日、医療保険制度改革に向けて「薬剤給付のあり方」と「高額療養費制度」について協議した。薬剤給付のあり方では、長期収載品の選定療養の患者負担引上げやＯＴＣ類似医薬品の保険適用除外について議論した。高額療養費制度については専門委員会の報告を受け、意見交換した。　厚労省は、①長期収載品②先行バイオ医薬品③ＯＴＣ類似薬―の保険給付の見直しについて論点を示し、意見を求めた。

財務省が診療所等の報酬の適正化求める機能強化加算等の廃止を含めて見直しを 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.30-31

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財務省は11月５日、令和８年度予算編成の建議に向けて、社会保障をテーマとした資料を財政制度等審議会・財政制度分科会に提示した。社会保障関係費について、「改革を通じた保険料負担の抑制努力の軽減」と「経済・物価動向等への的確な対応」の双方を実現する観点から、特に診療所や薬局の報酬適正化やＯＴＣ類似薬を含む薬剤の自己負担の見直しを主張した。診療所の報酬では、①機能強化加算②外来管理加算の廃止を含めた見直しと③地域包括診療料・加算の再構築を求めている。

中重度者対象のホームに登録制を導入有料老人ホーム検討会がとりまとめ 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.32-33

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　厚労省は11月５日、「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会（駒村康平座長）」のとりまとめを公表した。安全性の確保の観点から中重度の要介護者などを入居対象とするホームに対し、登録制を導入する方向性を打ち出した。厚労省は今後、社会保障審議会の介護保険部会で制度改正に向けた議論を進める方針を示した。

新設１３８項目など３３１項目を申請外保連が８年度診療報酬改定へ要望 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.34

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　外科系学会社会保険委員会連合（外保連、瀬戸泰之会長）は11月10日の記者懇談会で、令和８年度診療報酬改定に向けた要望事項について報告した。８月に厚労省のヒアリングを受け、82学会から新設１３８項目、改正１８６項目、材料７項目の計３３１項目を申請している。

新薬16成分19品目を薬価収載片頭痛薬に有用性加算Ⅱを適用 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.35

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厚労省は12日、新薬16成分19品目を薬価収載した。放射性医薬品の「プルヴィクト静注」をはじめ５製品のピーク時予想販売額が１００億円を超えた。５日に開かれた中医協では抗がん剤「キイトルーダ」が市場拡大再算定を受けることも決まった。

随想―視診・聴診

痛くも痒くもないが高山　哲夫 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.36

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　健診結果を携えて56歳のⅠさんが受診しました。尿蛋白が「２＋」です。さかのぼってⅠさんの健診結果を見ると数年前から尿蛋白が「２＋」です。　「Ⅰさん、今までなぜ治療を受けなかったのですか？」。化石医師の問いかけに、「いえ、毎年チェックされて受診するのですが、『生活に注意して経過を見ましょう』と言われるだけでした」。「えっー、その後は受診されなかったのですか？」。「はい。痛くも痒くもなく、何ともないですから。それに毎年健診がありますから」。

News

診療所の適正化に反論「怒りでしかない」　日医会長／診療側委員に小阪氏支払側委員に永井氏　中医協人事／入院時光熱水費規準引上げで合意　中医協 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.37

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医療提供に関する政府の審議会・検討会や業界団体の動向などの最新情報をお伝えする「News」コーナーです。

資料

地域包括医療病棟に係る課題と論点包括期の入院医療に係る課題と論点中医協総会（2025年11月５日開催） 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.38-39

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　厚生労働省が中央社会保険医療協議会に提出した「地域包括医療病棟に係る課題と論点」、「包括期の入院医療に係る課題と論点」の資料を掲載する。

経済スコープ

創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループ議論の整理 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.40-41

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今回は、令和７年11月５日に公表された、「創薬力向上のための官民協議会ワーキンググループ議論の整理」の概略を紹介する。本文の詳細は厚生労働省HPに公表されているため、そちらを参照されたい。

編集室／ワードカプセル

編集室／ワードカプセル：長期収載品の選定療養 25巻2982号 , 2025年11月 , pp.42

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取材中のこぼれ話など編集者の余談を綴った「編集室」と、一つの言葉をピックアップして解説する「ワードカプセル」です。

基本情報

社会保険旬報
25巻2982号
(2025年11月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：1343-5728 社会保険研究所

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