胃と腸 27巻5号 (1992年5月)

今月の主題 linitis plastica型胃癌診断の現状

序説

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 早期胃癌診断の進歩は目覚ましく,1~3年に1回の胃X線・内視鏡検査を行うことによって胃癌による死から免れる,それは現在の胃癌診断学をもってするならば確実なことでしょう.しかしそうは言っても,毎年胃癌の検診を行っていて無症状,健康であった人が,ある年突然にlinitis plastica状態で発見されて1,2年後に鬼籍に入る場合が現実に存在しています.そのようなlinitis plastica型胃癌の頻度は?といいますと,少し古いデータになりますが,胃上半分の部分における未分化型癌の中の8%,そして胃底腺粘膜から発生した未分化型癌であることが組織学的に証明された癌の中では17%です(癌研外科,1955~1974).これらの値は,胃底腺粘膜から発生した未分化型癌に占めるlinitis plastica型癌の頻度の下限であろうと思われます.なぜならば,術前にleather bottleあるいはスキルスと診断されると,外科的切除のなされないlinitis plastica患者が少なからず存在していたということがあり,現在でもそのような症例が存在しています.このようなことからは,linitis plastlcaは胃癌の中でまれな症例であると見過ごすわけにはいきません.

 どうしてもlinitis plastica型癌の早期診断,つまりlinitis plastica型胃癌の状態になる前に診断する必要があります.このことは,一般社会からの強い要請でもありましょう.なぜかlinitis plastica型胃癌は,働き盛りの若年者・中年者そして女性に多い傾向があるからです.彼らはまた,日本の次世代を担う子供の養育になくてはならぬ存在であり,彼らがlinitis plasticaで倒れたことによって生じる家庭の悲劇をここそこで耳にするのもまれではありません.

主題 Ⅰ.linitis plastica型胃癌診断の現状―胃底腺領域との対比において

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要旨 最近15年間に切除された胃癌1,862例において,肉眼型,組織型を中心に年次的変化を検討し,胃癌病像の変化を調べた.進行癌において4型の減少と5型の増加,組織型で分化型の増加が著しく,スキルスの減少との関係が推測された.上中部における4型切除例95例において,giant fold型が60例,non-giant fold型35例であった.癌性腹膜炎による死亡は前者が73%,後者が46%,平均生存日数は前者が576日,後者が408日であった.5年以上生存の上中部4型胃癌は8例あり,体部後壁や大彎に限局したものが多く,スキルスにしては小型のものが多かった.このような部位におけるⅡcの早期発見が,スキルスの早期発見・治療に重要と考えられた.

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要旨 近頃,linitis plastica型胃癌(LP癌)の頻度が減少しつつあるのではという見解がある.これはLP癌の早期診断に連なる胃底腺領域のⅡc型早期胃癌の診断される頻度が増加した結果ではないだろうかと考えられている.そこで,LP癌の頻度は本当に減少しているのか,そして,胃底腺領域のⅡc型早期胃癌の頻度は増加しているのかという2点について検討を加えた.対象は1982年から1991年までの10年間に3つの病院を訪れた胃癌患者2,909名(男性1,905名,女性1,004名,平均年齢62歳)である.この10年間を2年ずつに区切り,全進行癌の中でLP癌の占める割合をみると7.4%,5.8%,9.5%,8.2%,8.3%となり,LP癌の全進行胃癌に占める割合は減少を示さず,ほぼ横ばいであった.一方,胃体部のⅡc型早期胃癌の全早期胃癌の中で占める割合をみると9.6%,12.9%,13.1%,12.4%,15.9%となり増加傾向を示した.統計学的にみると,胃体部のⅡc型早期癌の割合は1982,1983年度と比べ1986,1987年度,1990,1991年度で有意に増加していた.3つの病院間で比べると,LP癌の全進行癌に占める割合は集団検診にも力を入れている病院では減少傾向を示したが,大学病院では,むしろ増加傾向を示した.これは,集団検診の場ではLP癌が減少しているのではないかということを予想させ,大学病院には化学療法を必要とする患者が集まっていることを窺わせる.一方,胃体部のⅡc型早期癌の全早期癌に占める割合は大学病院では増加していた.これは早期胃癌に関心を持ち関連する病院から症例を集めてくる結果によるものと思われた.診断技術をより進歩させ,胃底腺領域のⅡc型早期胃癌の診断に関心を持ち続けることが,近い将来,LP型胃癌を減少させることにつながる.

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要旨 linitis plastica(以下,LP)型胃癌の診断の現状について病院の立場から,20年間に経験した胃癌2,235例を対象とし,その推移を調べた.その結果,近年,早期癌が50%を越え,手術可能進行癌と手術不能癌が減少していた.また,早期癌に占める胃体部領域におけるUl(-)の未分化型Ⅱcは1.9%から5.6%へと増加していた.一方,進行癌は減少が著しく,切除例でLP型胃癌は減少傾向にあるが,手術不能例ではBorrmann 4型(LP型胃癌を含む)に増加傾向がみられ,LP型胃癌は減少傾向があるとは言えなかった.潜在的なLP型胃癌は12例あり,その頻度は切除されたLP型胃癌の15.8%で,男女比は5:7,平均年齢43.8±8.2歳であった.術前診断は,ⅡcやⅡc+Ⅲ型早期癌6例,Ⅱc進行癌3例,潜在的なLP型胃癌3例で,正診率は25%で,壁の伸展が良好なため粘膜病巣周囲への癌の拡がりを診断できなかった.5年生存は12例中5例(41.7%)で,n(-)群に多い傾向があったが,5年生存例の肉眼所見では原発巣周囲に形態的な特徴を認めなかった.

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要旨 胃集検で発見される胃底腺粘膜領域早期癌の数は近年急増しているが,linitis plastica型胃癌の発見数にはほとんど変化が認められなかった.検診発見の胃底腺粘膜領域早期癌およびlinitis plastica型胃癌の原発巣の大きさ,肉眼型,組織所見の比較検討からは,集検発見の胃底腺領域早期癌は中村らのいうlinitis plastica型胃癌の初期病変とは異なっており,現時点において,胃集検はlinitis plastica型胃癌の早期発見に大きく寄与しているとは言えなかった.更に,胃集検でlinitis plastica型胃癌の初期病変を捉えるためには間接X線写真の質を向上させることが必要条件であり,その条件が満たされたうえでlinitis plastica型胃癌死亡率減少に対する胃集検の寄与度の再評価がなされるべきであろう.また,linitis plastica型胃癌の遡及的検討で,その初期像と考えられる病変の描出が2例に認められた.

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要旨 集検におけるlinitis plastica型癌(以下LP癌)の頻度は病院例に比べて低い.この一因としては,集検が無愁訴群を対象とし,受検間隔が年1回という制約条件下の検査であることが考えられる.逆追跡例の検討では大彎の軽度の辺縁陥凹を伴う限局性硬化,凹凸状硬化,レリーフの硬化など壁伸展障害に関するものが多かったが,1つの所見が単独にみられるというより,いくつかの所見が並存することがある.胃切除術後の長期生存例は5例であり,胃全体の伸展性がよい時期に診断すれば予後が期待できることが示唆された.

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要旨 linitis plastica型胃癌(以下,LP型癌)と胃底腺領域癌を,集検受診群と病院受診群に分け,15年間の推移を比較検討した.LP型癌の年代的な数は,集検・病院群ともに変化なかったが,発見胃癌に対する割合は,集検群において漸減していた.男女間では両群ともに女性に多かった.LP型癌の平均年齢は,集検群の男性を除き,胃癌全体に比し4~6歳若かった.胃底腺領域癌の年代的な数,頻度は,両群間に差がなかった.発見胃癌に対する割合は,集検群平均12.8%,病院群平均9.8%であった.進行度別にみると,両群とも進行癌が減少し,早期癌が増加していた.女性に多く,平均年齢ではLP型癌と同じ傾向であった.LP型癌の予後は,5年累積生存率で,集検群9.5%,病院群8.1%と差がなかった.

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要旨 linitis plastica型胃癌(以下,LP)の早期診断は,その原発巣を探し出すことにあるが,発育経過中に原発巣に潰瘍ができ,ときに瘢痕化し,また周囲粘膜を這ってびらんを形成する.それゆえLPの早い時期のうちに発見しうる可能性も多い.胃底腺領域(以下,F領域)の小さなⅡcあるいはⅡbをすべて発見し刈り取ることができれば,F領域に発生した胃癌はほとんどm癌のうちに発見されることになり,LPはなくなるはずである.その発見はかなり難しいが,発見の糸口をつかむことができた.固定集団の長期逐年検診からみると,Borrmann4型,LPとも著しく減少している.早期癌発見の割合が増加し,それにつれて未分化型早期癌,F領域早期癌発見の割合が増加したためと思われるが,なお早期発見の難しいと思われるものが発見癌120例中3例(2.5%)あり,特殊なLP,Borrmann 4型,Borrmann 3型であった.

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要旨 典型的なlinitis plastica型胃癌(LP型癌)73例を対象として,癌性リンパ管症の問題を中心に他の進行癌と比較検討した.LP型癌について従来から報告されていた,若年層に多く,女性に優位で,癌の組織型は低分化型であるという事象を再確認した.LP型癌は,半数以上に癌性リンパ管症を合併し,他の進行癌と比較して極めて高い頻度である.癌性リンパ管症は,壁浸潤が深達度ss以上の高度進行癌に進展する過程で2次的に派生する病態で,体部腺領域の癌により合併しやすい.LP型癌で,癌性リンパ管症を合併する群と非合併群とを比較すると,平均年齢に明確な差が存在し,臨床像と成立過程が異なる2群が存在する可能性がある.LP型癌の初期病変は体部腺領域の低分化単純型癌で,比較的小さなうちに深部に浸潤したⅡc類似進行癌を早期のLP型癌の一典型と考える.

今月の症例

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 〔患者〕63歳,男性.会社の集団検診で上部消化管X線検査を行ったところ,胃の異常を指摘され内視鏡検査を受けた.その結果,食道癌と診断され,当院に紹介された.

 〔X線所見〕Fig.1は伸展の程度の異なる二重造影像である.aの過伸展の像では,矢印の範囲の粘膜パターンが周囲と異なり,同部に淡いバリウム斑が見られる.bの中等度に伸展させた像では,矢印の部で粘膜襞の中断が見られる.更に,cの軽度に伸展させた像では,粘膜襞の中断がよく捉えられている.Fig.2のレントゲノグラムでは,粘膜襞の中断,粘膜像の異常所見は共に明瞭である.

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 早期胃癌の中で,多発癌の頻度については,多くの報告があって,おおよそ10%前後とみなされているが,今回早期胃癌1,000例を越えた施設の報告で,多発癌の頻度を調査した(胃と腸 26:1346,Table2参照).早期胃癌の中の多発癌の頻度は,6~8%が3施設で,10%が2施設,11~15%が3施設であった.最も頻度の高い15%は最も低い6%の2倍以上を示している.この差異は切除標本の組織学的検索法の差異に基づいているであろう.早期胃癌の組織学的検索は,多くの施設では,早期胃癌病巣の全割であって,組織学的に偶然発見される微小癌は早期胃癌近傍に止まっている.切除標本全体の全割あるいは全割に近い検索をかなりの症例に行ってきた施設では,早期胃癌と離れた部位での微小癌がかなりの頻度に見出されることから,早期多発癌の頻度にこのような差異が認められたのであろう.

 というのは,1991年9月の第33回日本消化器病学会大会で,多発胃癌の臨床的組織学的検討を行った鹿児島大学第2内科の報告をみると,切除標本の全割がなされた1,376例の多発癌の頻度は14.5%で,早期胃癌では,多発癌の頻度は17.8%であった.このように高い頻度は,切除標本の全割による完全かつ詳細な検討によって得られたものであって,今まで報告されていないであろうし,今後も現れないであろう.この報告に関連して,早期胃癌1,000例を越えた施設の早期多発癌の頻度の差異は,組織学的検索法の差異に基づいていることを物語っている.

海外だより

ミシガンの学窓から 小嶋 裕一郎
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 私がミシガン大学(Department of Internal Medicine,Division of Gastroenterology)に来たのは,雪の降る1990年12月4日であった.住み慣れた山梨とは違い,四方を見回しても山は全く見えず,外国に来たという実感がひしひしと湧いてきたのを覚えている.

 ここアナーバー(Ann Arbor)はミシガン大学を中心に発展した学園都市で人口は10万ほど,自動車で有名なあのデトロイトから車で1時間,シカゴまでは4時間ほどの距離にある.住民の多くは大学関係者であり,治安はアメリカの他の地域と比較すると極めて良好である.非常に広大なキャンパスには緑が豊富にあり,日本では考えられないが,リス,スカンクなどの小動物に出くわすことも多い.また,市内にはゴルフコースや,アメリカンフットボールに詳しい人はご存じかも知れないが10万人収容できるスタジアムがあり(いずれも大学の所有),規模の大きさに圧倒された.

学会印象記

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 4月15日から4月17日までの3日間,大阪市立大学第3内科・小林絢三教授のもと,第43回日本消化器内視鏡学会総会が大阪ロイヤルホテルを中心として13会場を使用して開催された.第1日目の夜,時ならぬ雷雨があったものの,3日間とも好天に恵まれ,本格的な春の訪れを実感した3日間であった.

 今回,何といっても会場として注目されたのは,第10会場となったクルーズ客船飛鳥のグランドホールであった.このように船のホールを会場として使用したのは,おそらく今回が初めてであったろうし,大阪港を背景とした今学会ならではの企画であった.

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要旨 症例は42歳,女性,全大腸炎型の潰瘍性大腸炎患者で,発症11年目にS状結腸と直腸に4つの扁平な隆起性病変を認め,生検にてdysplasiaないし腺癌の組織像が得られたため,大腸亜全摘術を施行.切除大腸の全割標本では隆起性病変に一致して計4個の早期癌(高分化腺癌;m癌2個,sm癌2個)とその周囲にdysplasiaを認めた.一方,本例は多臓器腺癌(胃癌,乳癌)の既往と消化管腺癌の家族内集積(母親;直腸癌,弟;胃癌)を認め,いわゆる遺伝性非ポリポーシス大腸癌の家系であった.本例は潰瘍性大腸炎合併早期大腸癌としては典型例と考えられたが,大腸癌の若年発生,多発性の要因として遺伝性素因の関与も示唆された.

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要旨 患者は68歳,女性.上部消化管内視鏡検査にて十二指腸球部から下行脚にかけて黒褐色点状色素沈着を認め,組織学的検査などにより十二指腸メラノーシスの診断を得た.原因薬剤と考えられた塩酸ヒドララジンを中止し,約6か月後に色素沈着の著しい改善をみた.薬剤中止前後の光顕では,暗褐色から淡褐色へと色素は淡くなっていたが,電顕では変化を認めなかった.本症の成因として降圧剤や鉄剤との関連が強く推測されているが,われわれが検索した限りでは,経時的観察により也素沈着の改善をみた例は村田ら1)やSharpら2)など数例にすぎず,原因薬剤を同定できた例は,Wabaら3)の1例のみであり,自験例は塩酸ヒドララジンが成因であると考えられた.

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要旨 食道壁内囊腫の1例を経験したので報告する.患者は68歳,女性.入院時,軽度貧血を認めた以外,理学的・血液学的に異常を認めず,食道造影,食道壁層造影,内視鏡,超音波内視鏡,CTにて,胸部中部食道壁内に4×3cmの囊腫様食道粘膜下腫瘍を認め手術を施行した.腫瘤は食道壁内に埋没するように存在していた.病理組織学的には線毛上皮で覆われ,腫瘤壁は比較的よく発達した平滑筋層からなり,食道囊腫(duphcationcyst)と診断した.発生学的に胎生期前腸の発達異常と言われており,成人においては偶然発見されることも多いが,破裂・癌併存の報告もあり,外科的切除の適応である.

早期胃癌研究会

1992年2月の例会から 岡崎 幸紀
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 1992年2月度の早期胃癌研究会例会は,2月19日,岡崎幸紀(山口県厚生連周東総合病院内科)の司会で行われ,胃3例,腸2例の症例提示と討議が行われた.

 〔第1例〕54歳,男性.胃小細胞癌(症例提供:福岡大学第1内科 城谷拓郎).

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 1992年3月の早期胃癌研究会は,小越(県立がんセンター新潟病院内科)と斉藤(東京医科大学内科)の司会で,3月18日に行われた.

 〔第1例〕76歳,女性.胸部食道癌(症例提供:東京医科歯科大学第1外科 岡部聡).

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欧文目次

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Helicobacter pylori infection and the risk of gastric carcinoma: Parsonnet J, et al(N Engl J Med 325: 1127-1131, 1991)

 Helicobactor pylori(HP)の感染が胃癌のリスクを増加させるか否かをケース・コントロールのコホート調査により検討した.

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 大変ユニークな素晴らしい病理の本が出来たものだ.本の表題に“Clinical Implications”と記されているように,本書では実にきめ細かく臨床に気が配られている.著者らも本書を消化器病の教科書の兄弟のように扱ってほしいと序文で述べているが,正にその通り,病理組織の説明のみならず臨床的な事項,標本の取り扱い方,生検の扱い方,意味づけなど,まことに痒い所に手の届く説明がしてある.患者の取り扱い方に多くの紙面が割かれているのも病理の教科書としては異例のことである.病理医はこういう言葉を使ってはいけない,内視鏡医と病理医の間ではこのようなルールが守られねばならない,など明日から役立つ実際的な注意も忘れられてはいない.疾患によっては病理医の役割という記述があったり,炎症性疾患では生検の読み方が問題集のごとく症例呈示されているのもユニークである.

 学会で論争のある点も教科書的にまとめるのではなく,論争点を明確に記したうえで著者らの解釈を述べているのも面白い.わが国のように著者が一方的な解釈を述べるにとどまるのと違って,読者はよりよく問題点の実態を理解することができるであろう.例えば,潰瘍性大腸炎に発生した腺腫とdysplasiaの違い,腺腫のmisplacement内に生じた癌と浸潤癌との違い,de novo癌の論争についてなど,まことにホットな問題についてもきちんと説明されている.

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Cancer incidence among parents of patients with colorectal cancer: Sondergaad JO, et al(Int J Cancer 47: 202-206, 1991)

 著者らは,大腸癌発生における遺伝因子の関与を明らかにするため,大腸癌患者の両親における癌全般および大腸癌の発生頻度を調査した.

編集後記 中野 浩
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 本号の企画に当たって,中村(恭)はご自身の考えが臨床的に証明されることを期待しつつ,いつもながら熱心に企画会議を率いた.しかし,主題論文をみる限りでは,胃集検,検診の場ではlinitis plastica型胃癌(LP癌)は漸減傾向を示したが,必ずしも全体では減っていないようである.一方,LP癌の原発巣と考えられる胃底腺領域のⅡcの診断される頻度は確実に増えてきている.このことからは,近い将来,LP癌が減少することが十分期待される.胃底腺領域のⅡcを見つけ,少しでもLP癌をなくそうとする努力を怠ってはならない.

 このような集計を行ったとき,今までの外科的な集計,胃集検の成績からはその両者の関係を知ることができず,大変苦労した.分類,集計案の作成の難しさを改めて知ることになった.

基本情報

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胃と腸
27巻5号 (1992年5月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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